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日章学園の10番FW葭岡が九州新人で印象的な活躍。速さと強さで前進繰り返し、九国戦でハット

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日章学園高の10番FW葭岡遥来は印象的なプレーを続けた

 懸ける思いが、プレーから溢れ出ていた。日章学園高は、第42回九州高校(U-17)サッカー大会予選リーグで前回優勝の大津高(熊本1)、同準優勝の九州国際大付高(福岡2)、そして選手権16強の神村学園高(鹿児島1)との“再激戦区”第4ブロックで3位。予選リーグ敗退に終わり、前回大会の3位超えを果たすことはできなかった。

 19年度の選手権でゴールを決めたFW木脇蓮苑(2年)を怪我で欠く中で苦戦。だが、MF金川羅彌(1年)やFW石崎祥摩といった1年生も奮闘し、特に10番を背負ったFW葭岡遥来(2年)が非常に印象的なプレーを見せていた。

 神村学園との第2節で葭岡は50m走5秒9という快足とDFの厳しいマークでもブレない強さで躍動。ボールを受ける度に前進し、突破し、簡単にはボールを失わない。体勢を崩されてもパスを繋ぎ、またゴールへ向かうなど得点と勝利への執念を表現していた。

 チームは葭岡の2アシストの活躍もあり、0-3から一時同点に。次の1点が奪えずに競り負け、2連敗で予選リーグ敗退が決まった。だが、第3節の九国大付戦では今大会唯一のハットトリックを達成。「この大会が色々なJのスカウトとか大学のスカウトとかも来るのが分かっていたので、チームプレーをしつつ、自分の持ち味のスピードや、身体の強さを活かせば良いかなと思っていました。身体の強さというところで負けなかったり、裏への飛び出しが自分の持ち味なので、そのスピードを活かせたのは凄く自信になりました」というように、将来へ向けて大いにアピールした。

 葭岡は日章学園中時代に全国中学校大会優勝。日章学園高1年時にボランチのレギュラーとして選手権16強を経験している。前回の九州新人大会でも、3位決定戦でボランチの位置から飛び出すなど2ゴールの活躍。だが、今大会はストライカーとしての実力を示す大会となった。

 スピーディーなパスワークを特長とする日章学園だが、チームの戦い方の中に葭岡のスピードを活かした攻撃を組み込んでいた。葭岡自身も相手DFの隙を狙い続けて特長を発揮。今後へ向けて手応えを掴む大会となった。

 連覇が3でストップした選手権宮崎県予選後にチームも、葭岡自身も意識が変化。葭岡は「普段の練習からこだわりをもって最近できていると思っている。(個人としても)凄く変わりました。体幹トレーニングと、瞬発トレーニングもこだわってやってきました」と語り、「今回負けたことをもう一回みんなで話し合って、去年の悔しさを晴らすためにまた明日から一つひとつこだわって、自分も声を掛けて、頑張っていきたいと思っています」と力を込めた。

 葭岡の目標は高校からのプロ入り。そのために、「決定力という部分でまだ全然だと思うので、もうちょっと隙を見てシュートを打ったり、強引さだけじゃなくて技術も身に付けていかないとダメだと思うので、磨いていきたいです」。理想は「はるく」の名のように、力強くゴールへ向かい続ける選手。今回の自信と悔しさを糧にプリンスリーグ九州やインターハイ予選でまたチームを牽引し、結果を残して評価を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)

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