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プロデビュー飾った浦和GK鈴木彩艶が抜群の存在感「次につながる試合だった」

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浦和レッズGK鈴木彩艶

[3.2 ルヴァン杯GL第1節 湘南0-0浦和 レモンS]

 大器がとうとうプロデビューを飾った。19年2月1日に、クラブ史上最年少となる16歳5か月11日でプロ契約を結んだ浦和レッズGK鈴木彩艶が湘南戦で初めてプロのピッチに立ち、無失点で勝ち点1奪取に貢献した。

 身長189センチ、体重91キロ。堂々たる体躯がゴール前に君臨した。最初に存在感を見せたのは前半5分だ。湘南の右サイドからのクロスにタイミングよくジャンプして、高い位置でキャッチ。ハイボールへの強さを見せると、同19分にはDF池田昌生の強烈な右足シュートをセーブ。さらに同27分にはFW平松昇のFKを防いだ。試合終盤にはMFオリベイラが至近距離から打ったヘディングシュートに鋭く反応して止めた。

 米国生まれだが、心は完全な“浦和育ち”だ。浦和が13年に初めて開校したジュニア(U-12)チームの一期生として加入したのが鈴木だった。

「小学5年生の頃からトップチームで試合に出ることに憧れを持ってやってきた。そのときから日本で一番のクラブでなければいけないという浦和レッズの重みを感じてやってきた」

 19年にプロ契約をかわし、昨年はトップチームに昇格して湘南との開幕戦でサブに入るなどリーグ戦16試合でベンチ入りを果たした。しかし、GK西川周作の壁は厚く、試合出場はかなわなかった。コロナ禍で練習試合も少なかったが、日々のトレーニングで技術を磨いてきた。「昨年は出られずに悔しい思いをしたが、その中でもまず一つ出る、出たらしっかりプレーするために今までやってきた」と話すように、黙々と鍛錬する姿勢がこの日につながった。

 満を持して臨んだプロデビュー戦では、相手に押し込まれながらも鈴木が耐えた時間帯があったからこそ勝ち点1を手にできた。これにはリカルド・ロドリゲス監督も「彼(鈴木)は前半に良いセーブをして、後半も最後の時間帯にうまく防げたシーンがあった。良いプレーだった」と評価した。

 守備面だけでなく、攻撃面でも存在感を見せた。特に後半はゴールキックからロングボールでチャンスメークに挑む場面があり、「つながらなかったけど、あれだけパワーがあるというところを見せられたと思う」と、手ごたえもつかんだ様子だ。

 今後は西川との競争がし烈になっていきそう。「勝つことはできなかったが、ここで一つ試合に出られたことは次につながると思う」と生き生きと答えた。

(取材・文 矢内由美子)
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