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MF松井蓮之は「川崎Fからの関心」で急成長、“来るとは思っていなかったオファー”をつかみ取る

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MF松井蓮之(法政大3年=矢板中央高/川崎F内定)はMF田部井涼(法政大3年=前橋育英高)とマッチアップ

[3.6 デンチャレ準決勝 関東A 2-0 関東B・北信越]

 気持ちが入らないわけがなかった。MF松井蓮之(法政大3年=矢板中央高/川崎F内定)はMF稲見哲行(明治大3年=矢板中央高)と矢板中央高時代以来のダブルボランチで先発。そして法政大の同期で、トップ下で先発していたMF田部井涼(法政大3年=前橋育英高)とマッチアップしたからだ。

 しかし関東B・北信越選抜は0-2で敗戦。田部井にも攻撃の起点を作られてしまった。「出来る部分はできたけど、個の部分でやられてしまって悔しい」。稲見との久々のコンビも「高校のころを思い出して楽しくやれた」と振り返るが、「もう少し良さを発揮できれば、今日の試合は違う方向に向かったのかなと思います」とこちらも悔しさをにじませた。

 松井は昨年度の大学リーグで急成長をみせた一人だ。開幕間もないころは頼りなさを感じさせる場面もあったが、リーグ終盤、特にコロナ禍による活動休止が明けてからは、周囲を動かす司令塔のような存在感を存分に発揮するようになっていた。長山一也監督からも「今の大学No.1ボランチ」だという評価を得られるようになった。

 そんな時期に「川崎フロンターレからの関心」は伝えられていた。ただ最初は練習参加への打診などもなかったこと、また「フロンターレのプレースタイルに合っていない」と感じていたことで、正式なオファーが来るとは思っていなかったという。

 しかし「日本一上手いクラブ」からの関心は、プレー面に好影響を与えた。何よりも自信を持ってプレーすることができるようになったことで、周囲の信頼を勝ち取れるようになっていった。法大で不動の地位を確立すると、話はトントン拍子に進んだ。12月末には川崎Fから正式オファーが届き、初の練習参加となったキャンプ参加後に仮契約を結ぶに至った。

 キャンプではFW小林悠らベテラン選手から積極的に声をかけてもらえたことで、充実の日々を送れたという。ただ「思っていた以上の力の差を感じた」とも振り返る。「ランニングでの崩し、ユニットでの崩しは想像以上だった。でもテレビで見ている以上のものを肌で感じれたのは、これからの成長にはとてもいい経験になったのかなと思います」。

 川崎F内定選手として過ごす大学最終学年。周囲の目が厳しくなることは覚悟している。「期待やプレッシャーはあるが、特別指定もしていただいたので、いち早く試合に出られるようにしたい」。守備での評価は高いが、今季はより攻撃面での結果を残したいとも意気込む。「足りない部分は自分が一番わかっているので、練習していければと思います」。

 実姉に女優の松井愛莉さんを持つことで話題が先行しがちだが、大学リーグで着実に成長を遂げたサッカー界屈指のタレントであることに疑いようはない。「いろんな方に期待されてプレッシャーもある中で大会に臨んだんですが、今日負けてしまって、実力のなさというか、もう少し引っ張っていける存在にならないといけないのかなと思いました」。まだまだ伸びしろはある。これまで通り足元を固めながら一歩ずつ確実な歩みを進める。


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