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九州選抜MF北條真汰、中学伝説のチーム、高校選手権に憧れ鹿児島へ、そして「真逆のサッカー」福岡大進学

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MF北條真汰(福岡大1年=鹿児島城西高)

[3.6 デンチャレ準決勝 九州 3-4 関東C・北信越]

 インパクト十分の一撃だった。九州選抜は前半17分、エリア内でパスを受けたMF北條真汰(福岡大1年=鹿児島城西高)が個人技で突破。切り返しで相手を外すと、ニアサイドに豪快なシュートを突き刺した。

「ボールを受けたときにゴールまでの距離は少しあるなと思ったけど、左から来ていたのも見えていたので、来るのを待とうかなとイメージしていました。シュートの場面もあまりゴールは見えていなかったけど、思い切って振り抜きました。イメージ通りだったと思います」

 地元・大阪で過ごした中学時代からレベルの高い環境でもまれてきた。RIP ACE SCに所属したが、当時のチームメイトはセレッソ大阪でトップ昇格したFW藤尾翔太、同じくサンフレッチェ広島でトップ昇格したMF土肥航大が同期で在籍。1学年下にも興国高から横浜F・マリノスに進み、開幕スタメンを勝ち取ったFW樺山諒乃介、国見高から北海道コンサドーレ札幌に入団したFW中島大嘉、流通経済大柏高からジェフユナイテッド千葉に進んだGK松原颯汰ら錚々たるメンバーがいた“伝説のチーム”だった。

 今でも頻繁に連絡を取り合う仲。「僕が九州選抜に選ばれた時も、土肥から連絡が来ました。J1とJ2の違いだったり、具体的なことも聞ける関係です」。ただ先にプロに進んでいることに羨ましさは常にある。「彼らには特別な武器があって、藤尾なら浮いたボールは誰にも負けないとか、土肥なら展開力、樺山なら突破力。それがJリーグでも通用しているけど、負けたくないなと思います」。

 高校からは別々の道を進んだが、北條自身も成長してきた自負がある。元から高校選手権への憧れがあったことで、高校進学と同時に大阪を離れることは決めていた。鹿児島は全く縁のない土地だったが、一番熱心な誘いをしてもらったことで、鹿児島城西高に進学することを決意した。

 大学は「プロになること」と優先して選択した。「最初大学は関西に帰るつもりでした。でも高校までの僕はフィジカルで劣っていて、足元、足元の選手だった。真逆のサッカーをするのが福岡大学。自分に足りないものを補えば、もっともっと大きな選手、どこのチームからも必要とされる選手になるんじゃないかと考えました」。

 入学当初はなかなかトップチームに絡むことが出来なかったが、筋力トレーニングに力を入れて体幹を強くすることで体を大きくしていった。足を速くするために陸上部の先生にアドバイスを求めにも行ったという。その努力が徐々に実を結び、今年1月に行われた#atarimaeni CUPでは全国大会を経験。そしてデンチャレでは1年生にして、九州選抜の一員に選ばれた。

「目標は三笘薫選手。ドリブルやパスの使い分けは勉強になっている。個人で打開する選手はあまりいない。こいつに預けておけば大丈夫と言われる選手になりたいなと思います」

 経験の豊富さもあってか、しっかりとした受け答えからは1年生とは思えない逞しさを感じさせる。あとは全国レベルでの結果、実績が伴ってくれば、中学時代の仲間と同じ舞台に立つということも、そう遠くはない未来としてやってくるはずだ。


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