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Jリーグ、コロナ禍も33.5億円“大幅黒字”の経緯説明「成長による利益ではない」

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オンラインブリーフィングに出席した村井満チェアマン

 Jリーグは8日、2021年度の第1回社員総会を行い、20年度の決算を承認した。新型コロナウイルスの長期的な影響を見据えて大規模なコスト削減を行ったため、経常収益298億1800万円に対して経常費用が264億5900万円にとどまり、33億5800億円の黒字を記録した。

 Jリーグは同日、オンラインでメディアブリーフィングを行い、決算の詳細を報道陣に説明。「新型コロナウイルスによる緊急避難的なコスト削減による一時的な黒字であり、次年度以降も継続するコロナ禍の悪影響に備え、クラブ支援やコロナ禍で発生する追加経費、最低限のリーグ機能の維持などに充当される見込み」と強調した。

 Jリーグはコロナ禍前に承認された2020年度の当初予算で、経常収益291億6800万円に対して経常費用304億5900万円を計上し、12億9100万円の赤字決算を見込んでいた。ところが、コロナ禍の到来で大幅な見直しを迫られ、約40億円のコスト削減を断行。これに加え、スポンサーからの追加協賛やスポーツ振興助成金などで約6億4000万円の収入増があったため、33億5800万円という大幅な黒字決算に至った。

 そのため、Jリーグ側は「この黒字を読み違えないでいただきたい。前年よりお客様を呼び込むことができたから大幅な黒字を達成できたというわけではない」と重ね重ね強調。担当者は「これから発表されるクラブの決算では、多くのクラブが赤字決算で、債務超過に陥ってしまうクラブもある」と厳しい見通しを語り、今期の黒字は来期以降、リーグ戦安定開催融資などクラブ救済に充てていく姿勢を示した。

 また村井満チェアマンは今回の決算について「ちょうど1年前にサバイバルモードという宣言をして、徹底的にコスト削減に踏み切ろうという話をした。結果的に40億円のコスト減となったが、聖域なき全ての予算を圧縮し、生き残るためにさまざまな対応をしてきた結果。Jリーグの価値が上がって、魅力的になって収入増をしたのではなく、必要な投資はしながらコスト圧縮をした結果であり、成長による利益ではない。厳粛に受け止めているというのが正直なところ」とコメント。その上で「(コスト削減に踏み切った)当時は試合開催が止まっていたが、現時点でお客様をお迎えできている。私も各節スタジアムに足を運んでいるが、お客様の顔を見ていると、サッカーがあってよかったなと感じており、楽しまれている顔を見られているのが何よりの収穫。サステナブルな運営のために予算を使っていきたい」と先を見据えた。

(取材・文 竹内達也)
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