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“タレント軍団”前橋育英で昨年も先発のSB岡本一真、あの「負けを胸に」群馬制覇、日本一へ

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この日、左右のSBを務めた前橋育英高DF岡本一真。注目株の一人だ

 まずは、群馬タイトル奪還に全力で取り組む。前橋育英高は昨年の選手権群馬県予選3回戦でライバルの桐生一高に2-3で敗れ、連覇が6でストップ。MF櫻井辰徳(現神戸)らを擁し、日本一を目指したチームは涙の敗退となった。

 DF岡本一真(2年)はその桐生一戦で2年生として唯一先発し、先発フル出場。対人守備の強さやビルドアップ能力の高さ、献身的なアップダウンが特長のSBは、「去年は育英も個の能力の高い選手たちがいっぱい集まっていたんですけれども、ああいう負け方をして悔いしか残っていないので、今年はその負けを胸にやっていきたいと思っています」と力を込めた。

 先輩からのメッセージは「絶対に全国優勝」「最低でも全国ベスト4」というもの。岡本は、ピッチに立っていたプレーヤーとして先輩たちの無念を必ず果たさなければならないと考えている。だが、まずは群馬でタイトルを奪還して全国へ進出することに集中。「去年成し遂げられなかった予選を突破できるように、チーム全員で取り組んでいきたい」。群馬を圧倒的な力で勝ち抜いて、日本一に挑戦する。

 横浜FMジュニアユース出身の岡本は19年度の選手権で1年生として唯一登録メンバー入り。「守備は強いと言われている。(また、) マリノスの時からビルドアップのところとか自分で攻撃の起点になったりするところは自分の強みだと思います」というSBは昨年、タレント軍団の前橋育英で下級生ながらポジションを奪取した。

 戦術理解や基礎技術を中学時代から高めていた岡本は前橋育英進学後、特にクロスに磨きをかけてきたという。「自主練でやってきました。中学の頃はそこで全然ダメだったんですけれども、高校になってクロスの精度が上がりました」。クロスの精度が上がり、アシストが増加。また攻撃面でできることを増やしている。

 今年はチームリーダーの一人としての責任感を持ってシーズンをスタートしている。6日には、2021プーマカップ群馬で強豪・名古屋U-18(愛知)と対戦。メンバーのほとんどが途中で入れ替わる中、岡本は前半に右SB、後半は左SBとしてチームを支えた。後半は名古屋の2種登録選手でU-18日本代表候補のMF甲田英將(2年)とマッチアップ。「多少抑えられた」という一方で、世代トップクラスの相手を封じ込むことはできなかったと感じている。

「今日の相手は2種登録の選手とかいてそういうレベルの高い相手になってくると守備の面で少しやられてしまうというか、もっとレベルが上がった時に対応できるようにしていきたい」。中学時代から左右のSBを務めてきた岡本は、今年両方の準備をして開幕を迎える考え。この日、強敵と対峙してまた意識を高めた注目SBは個人としても成長を遂げて、タイガー軍団の目標達成に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)

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