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熊倉の後継者候補、山梨学院GK山田海人は細かな気遣いとセーブ力で「あの舞台へ」

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山梨学院高の新守護神候補、GK山田海人

 注目GKの後継者候補は「自分がやってやろうという気持ちはありますね」と頼もしい。選手権優勝校・山梨学院高(山梨)のGK山田海人(2年=FC東京U-15むさし出身)は今年、日本一の立て役者となった先輩GK熊倉匠(3年)に追いつき、追い越すような一年を過ごす意気込みだ。

 山田は熊倉を上回る184cmの身長とダイナミックなセービング、コーチングを特長とする守護神だ。「周りを鼓舞するようなGKになりたい」という山田は、選手権で登録30名入り。何度もチームの危機を救い、PK戦でチームを勝利へ導く熊倉の姿を近い場所で見てきた。

「日頃の練習から熊倉君はああいうプレーができていました。自分が見ていた感想だと、いつもの練習と同じなので止めるだろうな、というイメージはあって、案の定止めて、PKも得意だったのでシュートストップした時はさすがだなと思いました」。現在は、選手権で目や耳にしたことを忘れず、「あの舞台へ戻るんだ」という強い気持ちを持って取り組んでいるという。

 その山田について、長谷川大監督はピッチ外の姿勢を評価する。選手権期間中は嫌な顔一つすることなく、率先してチームをサポート。GKという特別なポジションでプレーする山田のピッチ外で見せた細かな気遣い、行動力は指揮官の目にも頼もしく映ったようだ。

 山田は「(選手権では)先輩たちの頑張りがひしひしと伝わってきていたので、自分たちが裏方とかしてスムーズに試合できればストレスにならないのかなと思って、率先して雑用をするようにしていました。嫌な気持ちは(全然)なかったです。充実感も出てきて、とても有意義な時間でした」と説明する。状況に応じて、チームのために行動する力の持ち主。その山田は、県新人戦優勝GKの吉久隆宏(2年)をはじめ同学年4人のGKたちとのポジション争いを勝ち抜き、より信頼される存在を目指す。

「日々の努力などの過程や、誰よりも練習することを自分は意識していて、自分のウィークポイントを潰すと同時に長所であるシュートストップに磨きを掛けてこの一年間全力で努力していきたい」。憧れの存在はイタリアの名手、GKジャンルイジ・ブッフォン。何よりゴールを守ることにこだわって自身を磨き、「あの舞台へ戻って」熊倉以上の活躍をする。

(取材・文 吉田太郎)

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