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「あれで気が楽になった」PKを蹴った杉本健勇に阿部勇樹がかけた言葉とは…

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浦和レッズFW杉本健勇

[3.10 J1リーグ第3節 浦和 2-0 横浜FC 埼玉]

 リカルド・ロドリゲス新監督が指揮を執る浦和レッズが、公式戦4戦目にして今季初勝利。先制のPKを決めたFW杉本健勇は試合後、ほっとしながらこう言った。「勝てていなかったので今日にかける思いがみんなにありましたし、僕自身にもあった。それが結果につながってうれしい」。実感のこもった口調だった。

 杉本にPKのチャンスが訪れたのは0-0で迎えた前半37分だった。DF宇賀神友弥がMF中村俊輔に倒されたシーンは、VARのオンフィールドレビューを経てPKの判定となった。キッカーは杉本。キャプテンのMF阿部勇樹からボールを渡され、腰のあたりをポンと押された。「阿部さんから『楽しんでな』と言われ、あれで気が楽になりました」。

 GK南雄太の動きをしっかりと見定めて逆サイドに蹴り込み、先制に成功。「蹴るコースは直前まで決めていなかった。自信をもって蹴ろうと思った」と胸を張った。

 沖縄キャンプ中の2月、規律違反でクラブから厳重注意と罰金の処分を受け、約1週間、練習参加を禁じられた。ロドリゲス監督と話し合いを持って練習に復帰。謹慎中の遅れを取り戻すべく必死に走ってコンディションを上げて、開幕を迎えた。

「チームに迷惑をかけた。自分はいけないことをしてしまった。監督にもすごく怒られました。今後このようなことがないようにするのはもちろんですが、僕はプレーでやっていくしかない」

 だが、強い決意で臨んだ開幕第1節のFC東京戦はVARに泣いた。前半5分、MF小泉佳穂が供給したスルーパスに反応した杉本は、冷静に右足でゴールを決めたかに見えたが、直後にVARが発動。杉本が抜け出したタイミングがオフサイドだった判定とされ、先制ゴールが取り消しとなった。試合は1-1のドローだった。

 それから2週間。今度はVARの判定でPKを得た。そして、終わってみれば2-0の今季初白星だった。しかし、杉本は「どんどん試合があるので、安心はない」と気を引き締める。「PKはおまけみたいなもの。流れからゴールを取らなければいけない。まだ1勝しただけなのでもっと積み重ねていけるようがんばっていきたい」と、内容の向上に意識を向けた。

(取材・文 矢内由美子)
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