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[中国新人]選手権出場校対決は高川学園が広島皆実に3発快勝!

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前半31分、高川学園高FW中山桂吾(右)がゴールを喜ぶ

[3.14 中国高校新人大会準々決勝 高川学園高 3-1 広島皆実高]

 選手権出場校対決は高川学園が制す! 第13回中国高校サッカー新人大会は14日午前、準々決勝を行い、高川学園高(山口)と広島皆実高(広島)との選手権出場校対決は高川学園が3-1で快勝。高川学園は14日午後の準決勝で立正大淞南高(島根)と戦う。

 序盤、アグレッシブさ欠いて横パスが増えてしまった広島皆実に高川学園が襲いかかった。「昨日は中盤とFWのタイミングがズレていた。守備の距離感を修正しました」(江本孝監督)という高川学園は、前線からの厳しいプレッシングを継続してパスコースを限定し、縦パスに狙いを定めてインターセプト。エースMF林晴己(2年)が相手のプレッシャーにも余裕を持って前進、チャンスメークするなどフィニッシュの本数を増やしていた。

 そして18分、高川学園は自陣左サイドからMF北健志郎(2年)が素晴らしいサイドチェンジ。右サイドでボールを受けた林の右足クロスをMF西澤和哉(2年)が頭で合わせてリードを奪った。

 その後もFW中山桂吾(2年)が思い切り良くシュートを放つなど勢いのある攻守を続けた高川学園は31分、林が右サイド深い位置でFKを獲得。これを北が左足で蹴り込むと、ニアの中山が頭で合わせて2-0と突き放した。

 一方、10番FW田部健斗(2年)を怪我で欠く広島皆実は、注目MF中島永弥(2年)が高い位置でボールに絡む回数を増やすなど重心を前に置く形で反撃する。ポジションを固定せず、左SB橋本光正(2年)が流動的にボールサイドへ顔を出していたほか、大型レフティーCB倉和也(2年)の左足フィードもアクセントに。序盤少なかった相手DF裏への動きも増やして反撃していた。

 だが、高川学園は後半7分、FW小澤颯太(2年)の左足ロングシュートがGKの頭上を破って3-0。“掃除役”のMF桑原豪(2年)が中盤で健闘し、コンビを組む北も相手のプレッシャーを冷静に外しながら攻撃の起点になり続けていた。攻撃面ではショートパスで相手を剥がし、フィードの上手い187cmGK徳若碧都(2年)のロングキックで局面を変えるシーンも。交代出場の選手たちも鋭い動きを見せて追加点のチャンスを作り出していた。

 広島皆実は後半25分、中島の右CKをFW中谷颯太(1年)が頭で叩きつけたが、ゴールライン手前で高川学園の左SB奥野奨太主将(2年)が頭でクリア。また、中島のスルーパスに奥野が走り込むシーンがあったほか、交代出場MF藤井永遠(1年)が右サイドからの仕掛けにチャレンジしていたが、ゴールが遠い。後半終了間際に中島の右FKから右SB田井力渡(2年)が右足シュート。これがDFに当たってゴールを破ったが、反撃はこの1点に終わった。

 高川学園は今冬の選手権でV候補の昌平高(埼玉)から2点を先取。だが、「体張るところはできていたんですけれども、最後守りに入ってしまった」(林)というチームは試合終了間際に連続失点し、PK戦の末に敗退している。江本監督は「この1年、思いが強いと思う」と語り、北も「去年ああいう負け方をしてしまったので隙をなくしてチーム全体で1試合1試合勝っていかないといけない。去年があるから最後までやり切ることができている」と口にしていたように、悔しさもバネにスタートして強さを示している新生・高川学園が中国タイトルに挑む。

(取材・文 吉田太郎)

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