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[MOM3411]高川学園MF林晴己(2年)_“高川初”狙うエース、取られずにチャンスメーク

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高川学園高の10番MF林晴己は存在感ある動きで勝利に貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.14 中国高校新人大会準々決勝 高川学園高 3-1 広島皆実高]

 選手権出場校同士の強豪対決。江本孝監督が「余裕がありますね」と評していたように、高川学園高(山口)の10番MF林晴己(2年=高川学園中出身)は立ち上がりから自信を持ってプレーし、目立つ存在になっていた。

 中盤で前を向くと、右サイド、中央からドリブルで前進。相手が寄せてきていても全く慌てない。多くのシーンでボールに絡み、味方に繋いだり、シュートで終えるなど高川学園が押し気味に試合を進める要因となっていた。

「去年よりは、自分が持ったら絶対にチャンスを作れる自信があります」と林。また、味方の切り替えの速い守備を信頼する10番は、「取られる気はあまりしなくて、失っても、切り替えて取り返せば良いし、そういう余裕があったと思います」と説明する。

 その林はゴールも演出した。前半18分、MF北健志郎(2年)の対角のパスを右サイドで受けると、ピンポイントでMF西澤和哉(2年)の頭にクロスを合わせ、先制点をアシスト。このシーンではサポートの右SB岡田大生(2年)の動きを活用し、相手が下がった隙を見逃さずにゴールへ結びつけた。

 前半31分の追加点も林が右サイドで獲得したFKから生まれたもの。昨年から名門で10番を背負うMFが、その実力を大いに発揮した。これまでに比べ、より仕掛けるところと周囲を活用するところの使い分けが的確に。この試合ではシュート精度を欠き、反省していたが、トレーニングでも、対外試合でも、ボールを失わずにプレーできているという林は今後さらに評価を高めそうだ。

 すでにJクラブからの練習参加の打診もある模様。練習参加が実現すれば、ドリブルとアイディアを駆使して結果を残し、守備でも頑張り、チャンスを掴む意気込みだ。目標は高卒でのプロ入り。旧多々良学園高時代を含め、FW高松大樹(元大分)やFW中原貴之(元仙台)ら数々のJリーガーを輩出している高川学園だが、06年に現校名となって以降、高卒Jリーガーは出ていない。林の目標はその“第一号”になること。大型GK徳若碧都(2年)やCB加藤寛人(2年)ら実力者を擁する今年の高川学園だが、注目の10番はチームメートたちと切磋琢磨しながら成長を続け、個人、チームの目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)

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