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[MOM3413]高川学園GK徳若碧都(2年)_相手の流れ止めた好セーブ。187cmの守護神はキックも魅力

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高川学園高GK徳若碧都は流れを変えるセーブに加え、ビルドアップでもチームに貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.15 中国高校新人大会決勝 高川学園高 1-1(PK4-3)瀬戸内高]

 ずば抜けた活躍を見せた選手こそいなかったが、大会MVP級の働きで決勝でも攻撃の中心となっていた10番MF林晴己(2年)や決勝含めた4試合フルに走って攻撃センスの高さを発揮したMF北健志郎(2年)、同点弾で今大会4ゴール目を挙げたFW中山桂吾(2年)ら、優勝校・高川学園高(山口)は決勝でも各選手が奮闘。相手に傾きかけた流れを止めたという面では、GK徳若碧都(2年=高川学園中)の存在も大きかった。


 高川学園は立ち上がりに一発でDFの背後を取られて失点。直後の8分にも決定的なシーンを作られたが、徳若が好反応でストップ。飲み込まれかけた序盤に連続失点しなかったことが、早い時間帯で追いつくことに繋がった。

 徳若も「絶対に失点できないところで止められたのは良かった」と振り返る。前日の準決勝でも先制点を奪われたが、自分の強みについて「人よりは冷静にいられる」と分析する守護神は、切り替えて集中していた。

 決勝では至近距離からの強烈なシュートに対しても安定した対応。弾いてしまうと押し込まれそうな局面でしっかりキャッチしたほか、大きな判断ミスもなかった。ほぼゴール前でセカンドボールを生み出すことなくプレー。計12本のシュートを放たれたが、2点目は許さなかった。

 加えて、最大の特長であるキックで攻撃の起点に。近い選手、一つ奥側にいる選手へと正確にボールをつけていく。一発で相手を裏返すことのできる飛距離も魅力。だが、元々キックを武器としてきたGKではないという。

「高1の時、本当キック下手くそで、キックしたくなかったのでひたすら練習していました。ネットに向けてひたすら蹴っていました」。キックを武器にしようとしたきっかけは、GK廣末陸(現ラインメール青森)。16年度選手権とプレミアリーグで青森山田高の初優勝に大きく貢献したへ廣末に憧れ、蹴り込んできたことで強力なストロングポイントになった。

 ともに長身で、バレーボールをしていたという両親を持つ徳若は、187cmの大型GK。PK戦ではその身体の大きさが相手のプレッシャーになったのかもしれない。瀬戸内高の2人が枠外へ失敗。優勝をもたらした守護神は「迫力勝ち。自分もそう思いました」と微笑んでいた。

 今大会は怪我明けでハイボールの対応など十分ではなかった面もある。それでも、江本孝監督は大きな舞台を経験した徳若について、「ビルドアップのところとかミドルパスがこの公式戦でできたのは自信にはなるんじゃないですか」。すでに関心を寄せるチームもある模様。「なれたらプロになりたい」と語る徳若が日常から成長、アピールを続けてチャンスを掴む。

(取材・文 吉田太郎)

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