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注目MF中島永弥は得意の縦パスや配球で広島皆実を勝たせ、父が活躍したJへ

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広島皆実高の司令塔・MF中島永弥

[3.14 中国高校新人大会準々決勝 高川学園高 3-1 広島皆実高]
 
 父が活躍した舞台を目指している。広島皆実高(広島)MF中島永弥(2年=広島ジュニアユース出身)は昨年から名門校でレギュラーを務め、選手権にも出場した注目のゲームメーカー。だが、中国新人大会準々決勝ではチーム全体の距離感が悪く、また背後へ抜け出す動きが少なかった。そのため、パスコースが限定され、中盤で縦パスが入りづらい状況。DFライン近くまで下りてボールを引き出していた中島だが、思うようなプレーをすることができなかった。

 チームは前半に2点を奪われ、リズムを掴みだした後半7分に3点目を献上。相手の立ち位置を確認しながら、非常に流動的なポジショニング、丁寧なパスワークを見せていたが、得点は終了間際にDF田井力渡(2年)の右足シュートがDFに当たって入った1点のみに終わった。

 仲本洋平監督は「相手の配置を見て、相手の隙を見つけて、そこでどんどん受けて欲しいと思っていました。もうちょっと積極的に裏を取るとか。全体的に受け身になっていたかなと」と指摘した。
 
 過去8年で7度選手権に出場するなど県内で抜群の強さを示している広島皆実だが、全国でなかなか勝つことができていない。今冬の選手権も青森山田高(青森)相手にある程度我慢することはできていたが、0-2で敗戦。その現状を変えるためにフォーメーションを変えながら「色々なチャレンジをしている」(仲本監督)という現状だ。

 中国新人戦は、攻撃の柱・FW田部健斗(2年)が負傷のために欠場した。その中で長身レフティーのCB倉和也(2年)が素材感ある動きを見せ、貪欲にゴールを目指したFW中谷颯太(1年)やキャプテンマークを巻いたCB松永琉汰(2年)らが奮闘。また、中島は意識的に高い位置取りへ変えてスルーパスを狙い、正確なプレースキックでチャンスメークしていた。

 その中島の父は仙台、千葉、広島で活躍した中島浩司氏。中島は「ポジションも(父と)一緒なので参考にしている部分もあります。(父は)ボールを持ってゲームを落ち着かせる力が凄くありました。自分は時間作って周りを活かして行くプレーが特長。どちらかといったらお父さんは守備的だったので、自分は攻撃的なところで違いを出していきたい」と意気込んでいる。

 その中島について、仲本監督は「彼には常に縦パスを狙ってもらったり、入れる技術はあるので、そこでチームのアクセントになってくれれば。サイドを変えるような長いボールを蹴れるようになってきたので、それにも期待しています」。選手権の悔しさを知る中島は中心選手としての自覚を持って最後の一年をスタートしている。

「去年の経験はこのチームで中心として活かしていかないといけない。声やプレーで助け合いながら一試合ずつ勝っていきたい」。個人としての目標は高校からのプロ入り。課題の守備を改善しながら、強みの縦パスや配球を貪欲に伸ばしていく考えだ。そして、中心選手として厳しい戦いでも活躍し、チームを勝たせてチャンスを掴む。

(取材・文 吉田太郎)

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