beacon

日韓戦、W杯アジア2次予選の日本代表メンバー発表 森保一監督・反町康治技術委員長オンライン会見要旨

このエントリーをはてなブックマークに追加

反町康治技術委員長、森保一監督

 日本代表森保一監督が18日、オンラインで記者会見を行い、25日の国際親善試合・韓国戦(日産ス)、30日のW杯アジア2次予選・モンゴル戦(フクアリ)に臨む日本代表メンバー23人を発表した。MF坂元達裕(C大阪)ら8人がA代表初招集となった。

 メンバー発表会見では森保一監督、反町康治技術委員長が30分間超にわたって質疑に答えた。要旨は以下のとおり。

●反町康治技術委員長
「コロナ禍の難しい状況の中で国際試合をすることになった。この期間、最善の準備をして、ぜひともいい2試合にしたいと考えている」

●森保一監督
「3月のIMDで代表戦をさせていただくことに、本当に幸せを感じ、多くの皆さんに感謝申し上げたい。技術委員長の反町さんからお話があったが、コロナ禍でいろんな制限がある中、大変な思いをされている人がいる中、代表戦をさせていただく意義を感じながら戦わなければいけないと思う。そして制限があるとはいえ、こうして日常生活を送れるようにしてくださっている方に感謝をしたい。まずは医療の最前線で命がけで戦ってくださっている医療従事者の方々に感謝を申し上げ、敬意を表したい。社会の機能を守るため、日々頑張ってくださっているソーシャルワーカーの皆さん、エッセンシャルワーカーの皆さん、企業の皆さん、個人で闘ってくださっている皆さんに感謝したい。こうして試合の環境を作ってくださった全ての皆さんも、大変な中で調整してくださったと思っている。環境作りに尽力してくださった全ての皆さんに感謝をしている。日韓戦という親善試合、W杯2次予選のモンゴル戦と続くが、まずは目の前の一戦一戦に最善の準備をしてベストを尽くすというこれまでの考え方を準備から続けたい。韓国戦で応援してくださる皆さんに勝利を届けられるように戦いたい。また試合が終わってから勝利を皆さんに喜んでいただき、笑顔になってもらうことをイメージしながら戦いたい。日韓戦というと多くの皆さんが普段の一戦とは違う気持ちで見てくださることも感じながら、われわれは魂を込めて戦えるように準備したい」

——(反町委員長へ)感染対策や怪我等で物理的に招集を見送った選手がいると思う。五輪代表との振り分けとは別に呼べなかったのはどの選手か。
「ここで名前を挙げることは残念ながらできないが、国内もしくは海外で、皆さんも報道で目にしている方も多いと思うが、怪我であるとか、コロナの関係で招集を見送った選手が何人かいることは間違いない。同じ国でもクラブによって違うので、最後まで調整というか、決めていくのが難しかったと思う。われわれとしてはその中でベストなメンバーを選出してこの2試合を戦いたい」

——(森保監督へ)コロナの感染が落ち着いていない中での試合だが、JFAの調整の賜物だと思う。この時期に試合を行うことは誰もが応援しているわけではない。その中で日本で試合をすること、応援してもらうことへのメッセージを。
「コロナ禍にあってわれわれが活動させていただくということが、日本国民の皆さんにとって、全ての人々が必要に思っているかというと、そうでない方もたくさんいらっしゃることは理解している。われわれが活動する意義として、日常生活の中において、この社会において、試合をすること、日本代表の活動をすることの意義を感じていただけるようになるとうれしいなと思っている。われわれが何をしなければならないのかということであるが、まずは活動を通して、試合を通して、国民の皆さんに勝利で喜んでもらう、笑顔になってもらうということで、この試合に臨みたい。またわれわれは夢や希望を届けるというところで、少年少女であったり、大変な思いをして行動が制限されている中、なかなか将来に向けて、未来に向けて、夢や希望が持てないという人たちがいっぱいいると思う。戦いを通して、活動を通して、サッカー選手になりたいという夢であったり、希望を持ってもらえたら嬉しい。何より日常生活の中で大切なことを、われわれの活動から感じていただければ。われわれの戦いの中で勇気、元気、そしてコロナ禍での長く続いている戦い、これからも続く戦いで、根気という日常生活に必要な部分を試合の中で感じていただきたい。日本代表を応援してくださるサポーターの皆さん、スポンサーの皆さんだけでなく、日本国民の皆さんへの励ましのメッセージとなるような戦いができればと思っている」

——(森保監督へ)今回の選手選考の基準、とくにU-24日本代表との兼ね合いは。
「反町技術委員長がいつもおっしゃるように『ワンチームツーカテゴリ』で一つのラージグループを形成している中で、このことを意識して2試合に臨もうと考えている。A代表はこの状況の中でのベストなチームを作るという部分と、U-24の戦いにおいては基本的には東京五輪世代の選手たちにはアルゼンチン戦に回ってもらい、勝利を目指して戦ってもらう。経験を積んで個々のレベルアップにつなげてもらいたいということで、2チームの編成をしている。U-24の東京五輪世代では冨安が一人入っているが、彼はずっと代表のコアなメンバーとしてスタメンで出られるだけのプレーを見せてくれているし、所属チームでもそういったプレーを見せてくれている。彼にはA代表で来てもらっている。他の選手にももちろん、A代表でスタメンでプレーできる選手、またスタメンでなくてもサブのメンバーとして入ってもらい、戦う戦力として考えられる選手もいるが、絶対的にスタメンではないということであれば、U-24の世界的強豪のアルゼンチン戦に回ってもらい、素晴らしい相手とプレーする時間が長い方が個の成長につながると思うし、五輪に向けた強化になると思う。またその先のA代表の強化につながると思う。

——(森保監督へ)初招集の選手たちを選出した理由は。
「他の選手にも申し訳ないので個々の選手については控えさせていただければ。ただ初招集が8人いること、また私が監督になって以降では10人の初招集がいるということで、チームの半数くらいの選手たちが初招集になっている。なぜ彼らを招集したかというと、それは普段のJリーグで彼らが存在感を見せて、チームの中で輝きを持つプレーをしてくれているので、われわれがスカウトをしている中でチーム編成を考えた時、彼らの力を借りてチーム編成をしたい。そして韓国戦、モンゴル戦に勝利できる戦力だということで選ばせていただいた。代表初招集の選手たちは経験値が浅いところもあるが、代表の活動を通して刺激を持ってもらい、この短期間でも成長をしてもらいたい。チームに帰ってから、代表での経験が彼らの日常でのレベルアップにつながれば嬉しいし、戻ったチーム全体が代表を経験した選手に刺激を受けて活性化されること、Jリーグの試合全体が盛り上がることを期待して招集している」

——(森保監督へ)冨安選手を五輪代表に呼んでおらず、合わせる機会がなかったと思う。A代表の主力でもあると思うが、五輪代表での連携は問題ないという考えなのか。またはA代表に呼ばないといけないくらい、CBの層が課題と考えているのか。
「まずはさきほどお話しさせていただいたように、A代表でも所属チームでも、彼のプレーを見て評価した上でA代表に来てもらっている。五輪チームでの活動をしないことがコンビネーションの不安になるかというと、まったくそうは思っていない。もともと彼と育成年代で一緒にプレーしてきている選手もいっぱいいるし、また昨年の活動で言えば10月、11月に、今回U-24のアルゼンチン戦に回る選手たちとたくさんプレーしている。意思疎通はできていると思っている。また以前参加させてもらったコパ・アメリカの大会で、南米の強豪と戦う上で、今回アルゼンチン戦に回る選手とも一緒に戦っているし、十分にコンビネーションは取れると思っている」

——(反町委員長へ)海外組は通常、直近リーグ戦を終えて合流になるが、日曜日に試合をすると火曜日着になる。政府との協議では火曜日着の場合、木曜日の試合に出られないという通達があったと言われていますが、日本の選手はすべてクリアできているのでしょうか。
「おっしゃる通り。懸案事項の一つで、いろいろと準備をしている最中。以上です」

——(反町委員長へ)見通し等は。政府とのやり取りが続いているのでしょうか。
「政府とのやり取りはとくにはない。以上です」

——(反町委員長へ)コロナ禍で難しい中、日韓戦が実現できた意義は。
「昨年はヨーロッパに行っての活動だったが、とにかくマッチメイクにあたっては現場から強い相手と、というリクエストを受けている。今回は残念ながらミャンマー戦が延期になった連絡を受けて、水面下でいろんな国と話をしてきた。アジアの中で強い相手である韓国と試合ができることを選んだわけだが、強いチームとやれることで成果と課題が生まれてくると強く思っている。われわれにとって、日本サッカーの歴史でなかなか打ち破れなかった韓国さんとこうやって試合ができることを嬉しく思っているし、まだ2次予選を終えていないのでなんとも言えないが、最終予選への第一歩と捉えてやっていきたいと思う」

——(森保監督へ)Jリーグで存在感がある選手を選んだとのことだが、「これがあるから選ばれた」という選考基準はあるか。
まずは一人一人がスペシャルな特長、武器を持っているということが言える。あとは個々の局面を打開できる、そして所属チームでも見せてもらっているように組織の中の一選手としても連係連動できるということで選んでいる」

——(森保監督へ)初招集の選手は30代はいなくて、25歳から29歳に集中している。Jリーグでは大久保嘉人選手も活躍している中、あえて彼らを呼ばずにいるということはチームの底上げという狙いがあるのか。
「いわゆるベテランと言われる経験のある選手たちも今季、結果を残しているし、輝きのあるプレーをしていると評価している。ただ質問にもあったように、われわれのチームづくりの考え方として、戦力の幅を広げながら、底上げをしながら、その時々の最強のチーム、ベストなチームを作っていく、そしてこの先の最終目標に向かってより強いチームを作れるようにと考えている。経験の浅い選手たちに代表での経験をしてもらうことによって個々のレベルアップにつながって、チーム力の強化につなげられると考えている。ただベテランの選手は必要ないかというとそうではない。彼らはすでにたくさんの経験をしているし、招集したことがない選手でもこれくらいやってくれるという経験値から計算ができるので、違う選択をさせてもらっている。選手招集のいろいろな理由はあるが、過去・現在・未来ということを考え、総合的に考える部分と、ニュートラルに考える部分とを踏まえ、ベストな選択をしていきたい。

——(森保監督へ)日韓戦とモンゴル戦のメンバーはどうやりくりするのか。
「まずは選手たちが集まっていないし、週末の試合でどうなるかもわからない。集まってきた状態を見て、直近の韓国戦にベストだと思える選手たちで戦う。試合を終えてから、チームの状態を見てからモンゴル戦の選手起用を考えていきたい」

——(反町委員長へ)韓国戦とモンゴル戦、何を楽しみにしているか。
「端的に話します。日韓戦はやはりアジアの大きなライバルである国とのゲームなので、自分たちの力がどれだけ通用するのか、それに対する課題を抽出して、次に向けて準備できるのかを大事に見ていきたい。モンゴル戦はワールドカップの2次予選で、最終予選につなげるための大事な一戦なので、必ず勝ち点3を取る試合をしていかないといけない。そうした中で自分たちの力を最初から最後まで出し、課題を消化できるかを見ていきたい」

——(森保監督へ)日韓戦で大久保嘉人選手を招集して欲しかったが、さきほどのように彼の実力は十分に分かっているからという理由なのか。
「おっしゃるとおりです」

——(反町委員長へ)韓国とはこれまで共に対戦国を呼ぶという良い関係ができていたと思う。そうした関係を広げていく権利や責任があると思うが、どのように考えているか。
「権利が全部私にあるとは思っていない。現場としっかり連携をしながら、コミュニケーションを取りながらリクエストに応えるのが基本的な私のスタンス。隣国なのに対戦がなかったのは避けていたわけではなく、公式戦ばかりで親善試合がなかったというのが正直なところ。これからそういったチャンスがあるかどうかは分からないが、隣国である韓国と試合をする意義は感じている。チャンスがあればやっていきたい」

●カタールW杯アジア2次予選特集ページ

TOP