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U-24日本代表メンバー発表 横内昭展監督・反町康治技術委員長オンライン会見要旨

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横内昭展監督

 日本サッカー協会(JFA)は19日、U-24アルゼンチン代表と『SAISON CARD CUP 2021』2試合を戦うU-24日本代表メンバー23人を発表した。MF久保建英(ヘタフェ)、MF堂安律(ビーレフェルト)らA代表経験者の他、MF三笘薫(川崎F)、MF田中碧(川崎F)らJリーグで活躍する国内組も名を連ねた。

 メンバー発表会見では横内昭展監督、反町康治技術委員長が約40分間にわたって質疑に答えた。要旨は以下のとおり。

反町康治技術委員長
「五輪に向けてやっていくのは当然だが、われわれとしてはその後のことも考えて活動していきたい」

横内昭展監督
「コロナ禍の難しい状況の中、国際親善試合2試合をさせていただけるということで、そのためにいろんな方のご尽力で開催されることになった。感謝したい。U-24の代表活動ということで、久しぶりということになる。昨年末に短い合宿を行ったが、国際試合は1年以上間が空いた。今回は海外組、国内組が合わさったチームとして、強豪アルゼンチンと試合ができるので楽しみに思うし、貴重な2試合をしっかり戦いたいと思う」

——(横内監督へ)五輪に向けた再スタートとなるが、五輪の開催にはいろんな意見が上がっている。どのような姿を発信していきたいか。
「この2試合は五輪に向けての貴重な2試合の強化試合だとまずは思っている。ただ、こういった難しい状況の中、日常じゃないというところで代表の国際親善試合を行わせていただけるということへの感謝の気持ちと、そうした中でもサッカーをプレーできるという喜びを持ってプレーしてほしいと思っている。そういう中でも苦しんでいる人がたくさんいると思う。もちろん、試合をすることでいろいろなご意見があるとは思うが、試合の中でピッチの上で何かを見せて、そういった方々に元気や勇気を少しでも与えられれば」

——(横内監督へ)2試合でターンオーバーをするのか、それとも2試合ともベストメンバーで戦うのか。
「選手自体が集合していない。こうしてメンバーを発表はさせていただいたが、週末の試合(リーグ戦)もある。まずは集合してから2試合に向けてどういうふうにやるかもう少し考えたい」

——(横内監督へ)アルゼンチンはどういうチームで、どういうところを試せると考えているか。
「アルゼンチンは南米予選を見た。その選手たち全員が来るわけではないが、さらにグレードアップしたチームが来そう。見た感想としては、攻守に隙のない良いチームだなとあらためて思った。みんな技術が高く、クリエイティブな選手が多いけど、ただそうした選手たちもフィフティフィフティのボールを南米らしく泥臭くマイボールにして、そこから前に出ていくという、タフさも兼ね備えているバランスの取れたチームだと思う」

——そういった相手に対し、日本のどこが問われているか。
「そういうチームが怖くて……というではなく、球際もしっかりとトライして、そういうチームにどれくらいやれるのかが問われる。ボールに対して激しく来るところに対して、日本の良さである技術的なところでどう剥がしていくかなど、われわれにもやれることはあると思っている」

——(横内監督へ)堂安律はU-24日本代表に入ったが、どういった理由があるのか。
「堂安選手だけでなく、A代表に絡んだ選手もこの中にたくさんおり、現時点でプレーできる選手はいると思っている。ただ今回に関して、堂安一人だけではないが、強豪アルゼンチンと2試合やれるということで、森保監督ともいろいろと協議してこっちでプレーしてもらおうという判断になった」

——(横内監督へ)この合宿が終われば6月、7月しか活動ができない中、メンバー選考も佳境になっていると思う。すでに発掘の時期ではないのかなと思うが、どういった位置付けをしているか。
「われわれには本大会まで時間はないし、活動する時間は短い。そこでチームを構築していかないといけない。ただ、U-24の選手でJリーグ、海外でプレーしている良い選手も数多くいる。急激に伸びてくる選手もいるので、これがコアな選手かというと、まだそうではない。チームとしてはもっと構築していかないといけないが、まだまだ新しい選手が入ってくる可能性はある」

——(横内監督へ)J1リーグで得点ランキング首位に立っている前田大然が選ばれていない。どういった理由か。
「このメンバーは今朝決めて発表しているが、今朝の段階でいろんな情報を得て、ベストなメンバーを組んでいる。ここに入っていない選手についての個人的なコメントは差し控えさせていただきたい」

——(横内監督へ)17歳の中野伸哉が選出されているが、選んだ理由は。
「中野選手は昨年からJリーグの試合に出ていて、今季に入ってもいま好調の鳥栖のディフェンスラインの一角としてほぼ全ての試合に出ている。アシスト等の活躍も目立つところだと思う。われわれも視察をする中で、今回ここに入ってこられるメンバーの一人だなということで選出させていただいた」

——(横内監督へ)昨年末の合宿では4バックを行ったが、今回はどのように使い分けをしようと考えているか。
「まずどっちも考えている。ただ選手が集合してみて、トレーニングしてみて、選手とも話し合いながら、もう少し考えたいなと思っている」

——(反町委員長へ)スペインからも久保建英が招集されている中で、同じスペインの柴崎岳や、ベルギーの鈴木武蔵が外れた理由は。
「本日はU-24の話なので少し逸れてしまうかもしれないが、リップサービスのある私ですから少しはコメントしないと申し訳ないと思う。私は選考には関わっていないので、昨日(A代表)であれば森保監督が中心の選考で、今日は横内監督中心の選考なので、理由についてはコメントができないというか、自分はわからないのが現状。もちろんこういう状況なので怪我やコロナの影響もいろいろあると思う。そういったものを勘案した中で、ベストメンバーをサムライブルー、U-24ともに選んだと理解している」

——(横内監督へ)海外組の選手もいるが、日本に着いた翌日から3日間の陰性証明が必要になる。すべての選手が試合日までに3日間分の検査を終えられる予定なのか。またアルゼンチン代表はどれくらいの戦力が来る予定になっているのか。
「日本に到着してから、到着前の検査について、日本に着いてから毎日検査するというサムライブルーと全く同じような形でしっかりと感染予防、感染対策をしていくという形。海外から来ていただく選手もいるが、初戦には十分に間に合うと思っている。またアルゼンチン代表の戦力については、彼らも強化のための試合と捉えているので、考えうるベストメンバーでやってきているのではないか。オーバーエイジも入れてくるくらいの本気度ですから、強化において非常に大事な2試合になると思っている」

——(横内監督へ)前田大然がメンバーから外れている。偶然といえばそれまでかもしれないが、A代表では大久保嘉人が外れていた。奇しくもJリーグでたくさん点を取っている2人が代表に選ばれないという事実を考えると、Jリーグで活躍する選手のモチベーションとして『リーグで活躍しても呼ばれないんじゃないか』という気持ちが植え付けられてしまうが、どう考えるか。
「前田大然に関しては非常に活躍しているし、みなさんがおっしゃる通り、いい選手の一人であることは間違いない。さきほども言ったように今朝、いろんな情報の中で判断して、ベストなメンバーを選ばせていただいた。それ以上は控えさせていただきたい」

——怪我ですか。
「それも含めて(控えさせていただきたい)」

——(横内監督へ)今回は中2日で2試合。本大会の日程を考慮したものとみられるが、この2試合で選手全員を試合に出したいなどといった大きな考えはあるか。
「まず選手の状態を見て、1試合目をプレーして、そこから2試合目を考えていきたい。いまここで断言することは難しい。連戦は東京五輪に向けて良いシミュレーションになるので、そういったことは加味していきたい」

——(反町委員長へ)A代表に呼ばれた南野拓実について、サンサンプトン監督が隔離期間などの関係で招集すべきじゃないと言っていたが、どう思うか。
「サウサンプトンの監督のコメントを聞いていないので分からないが、われわれ日本サッカー協会としては欧州拠点に職員を置いている。選手を招集する際には彼を中心にして返事をもらっている。彼の情報によると、南野は招集が可能であるという話をしていた。招集が可能であるということはクラブが応じているということ。それ以上ことは僕もいま初めて聞いたのでコメントできないのが現状」

——(横内監督へ)あらためて三笘薫についての評価は。
「三笘選手は特別指定ではそれまでも入っていたが、昨年大学からJリーグに入り、シーズン通して川崎Fの戦力になり、かなり活躍した。今季もここまで非常にいいパフォーマンスをしている。彼はU-24代表の立ち上げ当時から見てきている選手の一人だが、もう一段階成長している選手の一人だと思っている」

——成長という部分で、具体的にどのようなところを見ているか。
「まずは彼が大学の頃から見ているが、Jリーグでプレーしていて、一段と力強さが出てきた。以前から技術、テクニック、アイデアは持ち合わせていたが、時折力で抑えられ、消えていく姿が最初の頃はあったが、いまはJリーグで見ていると力で抑えられても押し返せるタフさが出ている。それが好調につながっていると思う」

——代表では3バックと4バックで立ち位置が異なると思うが、どのようにプレーしてもらいたいか。
「川崎Fでは左サイドで起点になってやっているので、そこでプレーすることもあると思うが、このチームを立ち上げた時は3バックのシャドーでプレーしていた。ここしかできないではなく、ちょっと違うポジションでも順応できると思っている」

——(反町委員長へ)テーマはコロナ禍。ヨーロッパの友人たちともいろんな話をしているが、表面的にはネガティブな現象が起きている。ただ、禍転じて福となすという意味で、ポジティブなこともあるのではないか。
「皆さん十分にいまの日本の状況はわかっていると思う。そうした中で、今日が3月中旬なので、五輪が4か月後に始まるという状況の中、メダル獲得に向けて動き出さないといけない。そのための第一歩が今日の発表につながったと思っている。冒頭で横内監督からもあいさつがあったが、こういうことをするにあたって、非常に大きなエネルギーがいる。JFAだけでなく政府や関係部署、留意した上でこういう活動ができている。われわれは自分たちで主体的に、昨年は海外で4試合やってきたが、今度は日本の地でわれわれのエネルギーを存分に出してやっていかないといけない。特にわれわれ現場に近い人間としては、グラウンドレベルでサッカーができる喜び、希望、感謝をプレーで出してもらいたい。それが国民へのポジティブなエネルギーになると思っている。いまもメディアの方が118人ですかね、これだけたくさんのメディアが集まっていて、これだけ手をあげているのを僕はウェブ会見で初めて見た。それだけ興味を持っていただいているということは、しっかりとレスポンスをしないといけないと思っている」

——(横内監督へ)禍転じて福となすという意味で、現場として新たな“ファインディングス”(気付き)はあったか。
「こういう中でも試合が行えることに感謝しかない。いろんな意見はあると思うが、待ちに待っている方もたくさんいると思う。そうではない方も少しでもポジティブになっていただきたいし、ポジティブになっていただけるようにピッチで表現しなきゃいけないなという覚悟で頑張りたい」

——(横内監督へ)U-24といえばブラジル戦が思い出されるが、そういった相手から力を引き出され、ギリギリの中で見えない力が出てきて結果を出せるということもあると思う。アルゼンチン戦にもそうした刺激は持ち込めるか。
「選手ももちろんアルゼンチン代表ということで、世界のトップオブトップのチームと対戦できるということで、かなりのモチベーションを持ってやってくれると思う。それがプラスに働くということはありがたい。ただ、サッカーはそんなに甘いスポーツではないので。アルゼンチンも今回のメンバーを見ると本気モードで来ているので、そんなに簡単にはいかないということは覚悟して戦いたい」

——(横内監督へ)ギリギリの中で指揮をして、その中だからこそイメージできることは。
「僕がどうこうより、選手がそこで勝ちたいか。たとえばよく知っている有名な選手と対峙したときに、こいつには負けたくないとか。選手はそのつどピッチで意地を出してくれて、初めてそういう結果になったと思っている」

——(横内監督へ)アルゼンチンは一人オーバーエイジを入れてきているが、日本は現段階でオーバーエイジを入れるつもりはなかったのか。また次の活動が6月にあるが、そこの活動ではどうするつもりか。
「今回に関しては森保監督も含め、スタッフ全員でいろんな話をした。実際、U-24にオーバーエイジは入っていないが、これまで昨年の(A代表の)欧州遠征や、コパ・アメリカなどでは融合して戦っている。今回はオーバーエイジは入っていないが、まったくそういった形で試合をしていないわけではない。今後はまだ分からないが、6月や本大会に向けてあらためて相談しながら考えたいと思っている」

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