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復帰した広島ユースの新10番FW棚田遼。ゴールを、「コイツ、何かやるんだろうな」というプレーを

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我慢の昨年から状態を上げてきているサンフレッチェ広島ユースの新10番FW棚田遼

 復活を示す、またエースとして活躍する一年だ。サンフレッチェ広島ユースの新10番FW棚田遼(新3年=広島ジュニアユース出身)は、怪我による約5か月間の離脱から本格復帰。フルでのゲーム出場はまだ再開したばかりだというが、サニックス杯ユースサッカー大会2021(福岡)で鋭い仕掛けを見せ、ゴールも決めている。

 大会初日(13日)の対戦相手は20年クラブユース選手権優勝のサガン鳥栖U-18と2年前のプレミアリーグ覇者である青森山田高。「(この2チームとの対戦は)意識していて、鳥栖に1試合目勝てて、山田は楽しみにしていたんですけれども、思っていた通り競り合いとか強くて簡単には行かない試合で。凄く楽しかったんですけれども、結果的に負けて悔しかったですね」。1勝1分(1PK負け)という結果には満足していなかったが、棚田にとってユース年代のトップチーム相手の2試合は手応えを得る戦いだったようだ。

「体力的には最後の方バテてしまったりしたんですけれども、身体のキレとかはだいぶ戻って来ていると思います」。離脱中に筋トレや体幹トレ、そして4バックへのフォーメーション変更に対応できるように映像で学習。我慢の時期に得たものも表現していた。

 鳥栖U-18戦では鋭い仕掛けを繰り返し、青森山田戦では高速カウンターから決定機を迎えるなど存在感のある動きを見せた。そして、19日の東海大福岡高(福岡)戦では1ゴール1アシストの活躍。本人もコメントしたように、これまでも大舞台で発揮してきた鋭いドリブルのキレはさらにスケールアップできているようだ。

「体幹とかやってきて、キレとかスピードとかが増したので、より磨きをかけたドリブルとか活かしてエースとしてしっかりと点を獲って活躍したいと思います。サポーターの皆さんには自分の特長はキレのある、スピードのあるドリブルなので、持った時に『コイツ、何かやるんだろうな』と思われたいし、何かして、突破して、ゴールまで行くのでそこを見て欲しいですね」

 棚田は、広島ジュニアユース時代の18年日本クラブユース選手権(U-15)大会でチームを日本一へ導いてMVP受賞。高校1年時には国体でゴールを連発するなど広島県選抜の準優勝に貢献し、U-16日本代表にも選出されている。2年時にはスーパープリンスリーグ中国でスタメンを務めて得点を重ねていたが、10月に離脱。そのままシーズンを終えることになった。思うようにサッカーをすることができなかった昨年から、勝負の3年目。広島ユースの攻撃陣にはFW高柳英二郎(新3年)やFW森夲空斗(新3年)ら特長のある選手たちが揃うが、棚田はエースの自覚を持って活躍し、トップ昇格を果たす一年にする。

「自分は自信を持って、怪我していた分を取り戻すじゃないですけれども、時間がないので、ここからしっかりとアピールしてトップに行けるようにしていきたい」。4月4日初戦のプレミアリーグWESTでの目標は「エースとして2桁は当たり前で15以上、18……。毎試合決めれるくらいに」。チームのために運動量を増やし、より守備をすることも目標。ここから焦ることなくコンディションを上げて、公式戦で「コイツ、何かやるんだろうな」というプレーをする。

(取材・文 吉田太郎)

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