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[イギョラ杯]習志野が今年初めての対外試合で桐光学園に追いつき、1-1ドロー

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習志野高桐光学園高との一戦は1-1で引き分けた

[3.20 イギョラ杯予選リーグ 習志野高 1-1 桐光学園高]

 第30回イギョラ杯 国際親善ユースサッカーが20日に都内で開幕した。予選リーグC組の習志野高(千葉)対桐光学園高(神奈川)戦は1-1で引き分けている。

 新型コロナウイルス感染予防のために、活動が制限されていた両校。1週間前に対外試合が解禁となった桐光学園はこれが3試合目で、習志野は昨年末以来となる対外試合だった。

 19年インターハイ日本一・桐光学園の新3年生は、同年の全国ルーキーリーグ交流大会優勝世代。U-17日本代表候補MF山市秀翔主将(新3年)、1年時に先発としてインターハイ全国優勝を経験しているMF岩根裕哉(新3年)、MF阿部慈(新3年)の3人を中心にボールを動かし、またMF田中英泰(新3年)やFW三原快斗(新3年)がドリブルでPAへ切れ込んで相手にプレッシャーをかける。

 またサイドからのワンツーでの崩しや、奪い返しから速攻などでゴール前のシーンを増やしたが、習志野は0-0の時間を続ける。DFリーダーのCB細井響(新3年)が「GKとのコミュニケーションも良かったし、一人一人が強く行けていたし、最後の最後で粘るというところでは良かった」振り返ったように、習志野は各選手が最後まで相手に寄せて足を出すところや強く当たるところ、ゴール前で確実に弾く部分を徹底。GK大吉健太(新2年)が好セーブを見せたほか、奪ったボールを正確に繋いでカウンターへ持ち込むシーンもあった。

 それでも、桐光学園は前半アディショナルタイムに先制点。この日、右サイドでスピードを見せていた右SB米山悠葵(新3年)のクロスをMF斉藤凌玖(新3年)が頭で合わせてリードを奪う。

 一方の習志野は後半開始から6人をチェンジ。指揮を執った金子大助コーチが「2トップからの守備でリズムができたと思います」と頷いたように、スピードのあるFW春山航輝(新3年)が加わったこともあってプレッシングがより機能し、相手をサイドへ追い込んで奪うことにも成功する。そして、奪ったあとの正確な繋ぎ、カウンターから相手を押し返した。

 桐光学園は左サイドからの崩しで相手の守りを攻略し、三原が決定機を迎えるなどチャンスを作ったが、習志野は交代出場GK荻原智輝(新3年)や細井、CB菅野瑚白(新2年)らが最後の局面でボールを跳ね返してゴールを許さない。

 すると15分、習志野が同点に追いつく。右サイドを抜け出した春山が中央方向へパス。FW山本龍之介(新2年)がターンしながらスルーパスを出すと、これに走り込んだ森谷寅太(新3年)が左足ダイレクトで決めて1-1とした。

 前日に大学生と練習試合を行っている桐光学園は、鈴木勝大監督が「全然ダメです。(ボールを)動かせるだろうという過信があったと思います。積み重ねで出てくるものあると思う。修業が必要」と指摘する内容。全体的に重心が重くなってしまい、細かなミスも増えてしまっていた印象だ。再三ゴール近くまでボールを運び、崩しにかかっていたが、集中力の高い習志野から勝ち越し点を奪うことはできなかった。21日はターゲットであるFC東京U-18戦を含めた2試合。この日課題となった決め切る部分や帰陣の速さを改善して勝利を目指す。

 一方の習志野はトレーニングのみの期間が続き、この日は主将のMF佐伯亮太(新3年)を欠く中での戦い。久々の対外試合の相手が19年インターハイ王者・桐光学園という不安もあったはずだ。だが、引き分けという結果に金子コーチも「(選手たちの)不安は取れたかなと思います」とコメント。まずまずのスタートを切った伝統校は今年、プリンスリーグ関東昇格、全国復帰を目指して一年を戦う。

 現時点でチームの求める基準値に到達している選手たちが奮闘。一方で金子コーチは「同じ個性だけでも厳しい。古き良き習志野の良さを引き出していきたい」。細井や山本らポテンシャルを秘めた選手たちが個性も発揮し、目標実現への可能性を高める。

(取材・文 吉田太郎)

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