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強豪相手に意地の2発。國學院久我山FW小松譲治は「とにかく点を獲れる」ストライカーに

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國學院久我山高のストライカー、FW小松譲治

[3.20 イギョラ杯予選リーグ FC東京U-18 9-2 國學院久我山高]

「こういう選手になりたいとかはあまりないんですけど、とにかく点を獲りたいんですよ。(ルイス・)スアレスとか(ロベルト・)レワンドフスキとか、そういう“9番”になりたいですね」。入学時から期待されてきた男も最高学年に。首都の強豪、國學院久我山高(東京)の最前線に立つストライカー。FW小松譲治(新3年=ジェファFC出身)はいつでもゴールに飢えている。

 イギョラ杯予選リーグ初日。年代トップレベルのFC東京U-18と対峙した國學院久我山は、その実力差を見せ付けられる。あれよあれよと重ねた失点は9。崩壊に近い守備面に対し、時折久我山らしいコンビネーションも披露した攻撃面では2ゴールを記録。そのどちらも、このストライカーが奪ったものだ。

 1点目は自らの仕掛けで獲得したPK。「PKはあまり自信がないですし、前回はT1リーグ(東京都1部)で外していたので、『どうしよう』と思っていたんですけど、『真ん中に蹴ればいいかな』と思いきり蹴り込みました」。ゴール中央へ豪快に突き刺してみせる。

 2点目は試合終了間際にCKからヘディングで。「自分はそんなにコーナーからのヘディングも得意じゃないんですけど、相手もそんなにマークしてこなかったので、アレはまぐれと言えばマグレ。たまたまです」。ともに得意ではない形でのドッピエッタ。「2点獲れたのは自信になりましたね」。大敗の中に光明を見出す。

「個人的には相手のCBの選手には、そんなに負けた感じはないですね。個のマッチアップではボールも収められたし、前も向けたりしましたし、自分のプレースタイル的にがっちりマッチアップする訳じゃなくて、バイタルで受けるみたいな感じなので、そこでは何回か受けられて、良いチャンスに繋がったのかなと思います」。強気な性格もストライカー向きだ。

 “久我山の9番”として、イメージしている先輩がいる。「山本航生(中央大)くんは尊敬していますね。そんなに上手くはないと思うんですけど(笑)、とにかく点は獲りますし、そういう所も当時の監督だった清水(恭孝)さんによく言われていたので、1年生の時にも航生くんのプレーをよく見ていて、成長した部分を自分でも感じていました。あの頃は『航生くん、凄いなあ』という感じでした」。2年前の“9番”を超えることが、今年の小松に課せられた大きなミッションでもある。

「チームの中でも1年生の時からトップチームに関わってきていたので、今年はエースとしての活躍もそうですし、チームを引っ張っていく存在にならないといけないのかなとは感じていますね。自分が失点以上に点を獲る選手になれたらなと思います」。とにかく点を獲りたい男。ピッチに立つ小松のギラギラ感、常に要注意。

(取材・文 土屋雅史)

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