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浦和MF小泉佳穂が体感し、克服を誓った川崎Fとの「最後の質の差」

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浦和レッズMF小泉佳穂

[3.21 J1リーグ第6節 浦和 0-5 川崎F 埼玉]

 立ち上がりからプラン通りにパスがつながり、前半42分に先制点を奪われるまでは浦和レッズがペースを握っていた。

 しかし、後半は完全に色を失い、終わってみれば0-5。J2の琉球から今季加入し、新加入11人の中でただ1人、リーグ全6戦に先発出場を果たしているMF小泉佳穂は、「最後の質の差がそのまま出た。トップ下をやっている自分としては、相手の脇坂(泰斗)選手や田中碧選手、小林悠選手との差がそのままスコアに出たと思っている」と現実に唇をかみしめた。ここ4年で3度のリーグ制覇を果たしている最強チームの川崎Fを相手に、評価バロメーターの目盛りが振り切れてしまったようだった。

 これまでの相手とは異なるレベルの圧力を受けた。第2節を終えた時点では、「(開幕戦の)FC東京の外国籍選手はJ2では味わえないような強度があったが、さほど驚くことなく順応でき始めていると思う」と自身初のJ1シーズンに手ごたえをつかんでいた。実際、トップ下から最終ライン付近まで落ちてビルドアップの中核を担い、状況によって左右両足でCKを蹴るなど、得意なプレーを随所に出せている印象は強かった。危険な位置でのボールロストにひやひやさせられることもままあるが、豊富な運動量を生かした前線での二度追いはすっかりおなじみの光景。スタンドから拍手を受けることも多くなっていた。

 しかし、この日はハーフタイムで修正してきた川崎Fにパスコースを封じられ、一方的に守勢に回った。後半4分から20分間弱で立て続けに4失点。気が付けば応援の鳴り物の音はすっかり消えていた。しかし、ここでうつむいているわけにはいかない。

「今日はおそらく日本で一番強いチームと戦った。僕らが優勝する、もしくは僕が個人として日本代表に入るためには、一番分かりやすい相手だったと思うし、チームとしても個人としても距離があると感じた。けれどもこれは努力次第で埋められる差だと思う」

 では、その差をどう埋めていくか。「最後のところは基礎技術のトレーニングしかない。それと、僕個人としてはチームの結果に責任を持つ、覚悟を持つ、そのためにシュートやパス、決定的なプレーのチャレンジをもっと増やしていくことがチームを勝たせるためには大事だと思う」。言葉をかみしめるように言い、キッと前を見つめた。

(取材・文 矢内由美子)
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