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16歳7か月でトップデビューの鳥栖U-18MF福井太智、「あのピッチ」で活躍するためにユース年代で違いを

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16歳7か月でトップデビューを経験したサガン鳥栖U-18MF福井太智

 16歳7か月16日でトップチームデビュー。「何もできなかった」悔しさが、注目MFのエネルギーになっている。

 サガン鳥栖U-18のMF福井太智(新2年=サガン鳥栖U-15出身)はサニックス杯ユースサッカー大会2021(福岡)の青森山田高(青森)戦で同点ゴール。MF楢原慶輝(新2年)の右クロスに長い距離をスプリントする形で飛び込んでゴールを破り、強豪対決勝利に貢献した。

 また、矢板中央高(栃木)との3位決定戦では絶妙なクロスでFW二田理央(新3年)の先制点を演出すると、FKで2点目のゴールの起点になった。チームは優勝したサンフレッチェ広島ユースとの初戦で敗れた後、5連勝で3位。4月4日のプレミアリーグWEST初戦へ向けて弾みをつけている。

 今年トップチームに2種登録された福井は、3月3日のルヴァン杯・鹿島戦で先発出場。16歳7か月16日の若さでデビューを果たした。右SHとして出場した福井は広い視野と的確な技術も見せたが、前半終了とともに交代。チームは0-3で敗れ、ほろ苦いデビュー戦となった。

 その経験と悔しさをU-18チームに持ち帰った福井は、「(アントラーズは)めちゃくちゃ強かったです。何もできなかったというのが自分の印象なので、その何もできなかったというのをこのチームに伝えましたし、自分があそこの舞台に立ったからには(U-18チームで)見せないといけない部分がありますし、自分はまだ2年ですけれども(チームを)引っ張らないといけない立場ということも理解してプレーしています」。U-18チームの田中智宗監督からも「良い言葉をかけてもらいました」というMFは、変化するために意識から変えて取り組んでいる。

 もっとボールに触れ、もっとゴールへ向かうこと。トップチームのトレーニングでできていると感じていたことはまだまだ“ホンモノ”ではなかった。「ゴールへ向かう姿勢やゴールに向かう怖さというのは自分にとって武器だと思っている」という福井は、次のチャンスを勝ち取るためにユース年代で違いを示して結果を残す考えだ。

「あのピッチに立ったからこそ、もう一回ピッチに立たせてもらった時に何ができるかというのがありますし、このユース年代では絶対的にやらないとあそこでは何もできないと思うので、ユースの年代で違いを見せられるようにしたいなと思います」

 昨年、新型コロナウイルスの影響で思うようにサッカーができない中、我慢強さや走る力などレベルアップすることができたと実感。今年、早くも大きな経験をした福井は、トップで戦える選手へ貪欲に自身を磨き続ける。

(取材・文 吉田太郎)

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