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復活への歩み続ける国見がサニックス杯で新たな学び。GK緒方要はU-18代表候補合宿へ

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国見高GK緒方要はU-18日本代表候補に選出された

 九州高校(U-17)サッカー大会(九州新人大会で14年ぶりに優勝し、サニックス杯ユースサッカー大会2021(福岡)に出場した国見高(長崎)は12チーム中8位。県外チームとの対戦は九州大会以来で、サニックス杯初日は試合への準備や勝利への意欲が十分ではなかったという。

 昨年のクラブユース選手権優勝チーム・サガン鳥栖U-18からFW本川瑠空(新3年)とDF上田陽南太(新2年)がゴールを奪ったものの、初日は2連敗だった。だが、ミーティングで改善点を話し合い、「もっと勝利にこだわってやろう」と確認して迎えた2日目は、10番MF北村一真(新2年)の先制点など選手権3位の帝京長岡高(新潟)から4点を先取して4-1で快勝。3日目は、選手権準優勝の青森山田高(青森)に0-2で敗れたものの、今大会で優勝したサンフレッチェ広島ユース相手に1-1で80分間を終えてみせた(PK戦で敗戦)。

 木藤健太監督は全国トップクラスにいる強豪との対戦で「見えたこともある」とコメント。「対応力やゲームの運び方、全体のパワーがまだ不足している」と分析していたが、同時に「良い大会ですね」と頷いていたように、サニックス杯で青森山田などの空気感を感じ、対戦したことで得るものは多かったようだ。

 選手たちは全国上位のスピード感や強度、そして一つのミスを逃さない強さなどを体感。サニックス杯で国見の主将を務めたGK緒方要(新3年=長崎市立淵中出身)は、「九州大会では自分の武器であるハイボールが出せた中で、もう一個上のレベルになるとクロスの質であったり、速くて自分の方から逃げていくようなボールが多いので、そこにもっとチャレンジしていきたいと思っています」と誓っていた。

 緒方はキャプテンシーの部分でも学ぶものがあったようだ。今大会は191cmCB山田純大(新3年)に代わって「初めて」というキャプテン。「他のチームのキャプテンは良い声だったり、たまに厳しい声を掛けていました。青森山田の松木玖生なんかはとても声を出していて、(隣のピッチにいても)チームを鼓舞する声とか凄いなと思いながら、自分もやらないといけないと刺激を受けています」。選手権のベスト4やクラブユース選手権の上位チームから得たものも活かして、名門は新たな伝統を加えていく。

 4月にはプリンスリーグ九州が開幕し、すぐにインターハイ予選もスタートする。「準備から怠らずにやっていきたい」と語った緒方は、U-18日本代表候補合宿(3月25日~28日)メンバーに初選出。九州大会、サニックス杯に続き、また学び、成長する機会を得た緒方や国見のイレブンは貴重な経験を力に変えて、プリンスリーグ九州での活躍や選手権、インターハイでの全国復帰に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)

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