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テーマは「進化」の矢板中央、大型DF島崎勝也は先輩たちを「越えられるようなCBに」

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「進化」がテーマの矢板中央高。大型CB島崎勝也は先輩超えへ

「今年は進化しないといけない」。サニックス杯ユースサッカー大会2021(福岡)で矢板中央高(栃木)の指揮も執っていた金子文三コーチは、「進化」を今年のテーマに掲げた。

 矢板中央は選手権の過去4大会で3度の3位。唯一4強入りを逃した18年度も選手権で8強入りし、プリンスリーグ関東で初優勝を果たしている。特に近年は好結果を続けているが、今冬の選手権は準決勝で青森山田高(青森)に0-5で完敗。準決勝の壁を超えて日本一を勝ち取るためには、現状から「進化」してもう1ランク上のチームにならなければならない。

 新チームはAチーム50人体勢でスタート。金子コーチが「激しい競争の中でやってくれた」と評したトレーニングで、FW久野木力丸(新3年)やFW坂本怜輝(新2年)らが台頭してきている。

 サニックス杯では怪我を抱える日本高校選抜GK藤井陽登(新3年)が欠場し、大会中に怪我した日本高校選抜候補MF大畑凜星(新3年)を欠く試合も。また、エース候補のMF星景虎(新3年)やDF小出勇翔(新3年)が不在だったが、今大会のキャプテンを務めたCB島崎勝也(新3年= FCファイターズ出身)や右SB山越結平(新3年)、GK羽渕莉人(新3年)らがゴール前での堅守を発揮して選手権覇者の山梨学院高(山梨)や東福岡高(福岡)、佐賀東高(佐賀)、大分トリニータU-18に黒星をつけた。

 だが、攻撃面はまだまだ。取り組んできたポゼッション、前線でボールを収めてからの仕掛けもよりレベルアップが必要だ。また、島崎は「(チームの特長である)守備の部分ももっと強化しないといけない」と引き締める。

 選手権で全4試合に先発出場している島崎は今大会、経験の浅い選手たちとコミュニケーションを取りながら、身体を張った守備。東福岡、佐賀東をいずれも無得点に封じ、今年もその堅守が攻略困難であることを印象付けたが、「たまたま守れているところがある」と満足していない。そして、「毎回やっても勝てるような守備を作っていけるようにしたい」と力を込めた。

 身長186cmと大型のCB島崎は強豪との戦いでも緊張することなく、存在感ある動きを見せていた。だが、「周りの人に助けてもらっているところもある。周りの人を助けられるようにしたい」。いずれも周囲から信頼されるCBとして堅守・矢板中央の中心を担ったCB長江皓亮(現東海大)やCB白井陽貴主将(現法政大)を「越えられるようなCBになっていきたい」と誓った。

「まだ先輩方に全然たどり着いていない。監督、コーチ陣や仲間からもっと信頼してもらえるようなCBになって、この1年で先輩方を越えられるように」。飛距離十分のロングスローも投じる注目CBは壁を破るために個人、チームで進化を果たす。

(取材・文 吉田太郎)

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