beacon

「正直、間に合わないと思った」…再び五輪に向けて歩み始めたU-24日本代表DF原輝綺

このエントリーをはてなブックマークに追加

U-24日本代表DF原輝綺(清水)

 一時は五輪出場を諦めかけていた時期もあったという。しかし、新型コロナウイルスの影響を受けて東京五輪が延期したこともあり、本大会に出場する可能性が戻ってきた。U-24日本代表DF原輝綺(清水)は、そのチャンスをつかみ取ろうと意気込みを示す。

 チーム立ち上げ当初からコンスタントにメンバーに名を連ねてきた原は、19年6月に東京五輪世代が中心となったA代表に選出され、コパ・アメリカにも出場した。しかし、19年11月23日、J1リーグ第32節名古屋戦で負傷。その日のうちに病院に行き、「骨折で全治まで3か月くらいかかる」と告げられた。

 五輪本大会までの時間を考えると、「ぎりぎり間に合うか、間に合わないか」という状況の中、「焦りながらリハビリした」ことで、「今度は別の場所が痛くなり、そこから3か月延びることになってしまった」。その結果、「正直、五輪には間に合わないと思った」。

 しかし、東京五輪は1年延期に。「世の中の状況を考えると、良かったという言い方はできない」と答えつつ、「ただ、個人的に五輪のことだけを考えると、まだチャンスがあると感じた」と胸の内を明かす。そして、再び本大会出場に向けて前を向いた。

「五輪に間に合わないと思ってリハビリしていたので、そこで力が抜け、そこからの回復も早かった。リラックスしながらプレーできているからこそ怪我もなく、パフォーマンスも大きく崩すことなく、ここまで来れたと思っている」

 今季、鳥栖から清水への移籍を決断。その際に黒かった髪を染めた。「これと言った理由はない」と笑いながら、「新潟のときに茶色にしたくらいで、一度、金とか銀に染めてみたいと思っていた。ちょうど清水に移籍するタイミングだったので、覚えてもらいやすいようにという軽い理由です」と続ける。新天地ではJ1リーグ全試合フル出場と十分な存在感を示している。

 今度は、U-24日本代表で再び自身の存在価値を証明する番だ。「チームで結果を残し、コンスタントに試合に絡み、チームが上位に行けば見てもらえると思う。まずは今回の活動でアピールをしっかりして、選ばれたときに最高のパフォーマンスを出せるように、あまり先を見過ぎずに足元をしっかり見ながら頑張りたい」。一段ずつ着実に、五輪に向けての階段を上っていきたい。

(取材・文 折戸岳彦)

TOP