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「国内組にチンチンにされていた」練習での危機感を鮮烈弾につなげた鎌田大地

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前半27分にMF鎌田大地が追加点を決める

[3.25 国際親善試合 日本3-0韓国 日産ス]

 電光石火のカウンターから貴重な追加点を奪った。1-0で迎えた前半27分、ハーフウェーライン付近でボールを奪い、FW大迫勇也のボールキープからMF鎌田大地が背後を追い越していく。大迫からパスを受けた鎌田はドリブルでPA内に切れ込み、そのまま右足を一閃。低い弾道のシュートは左ポストを叩いてゴールネットに吸い込まれた。

「日本でプレーしていたころだと、ああやって追い越して一人でやり切ることはなかったと思うけど、ヨーロッパに行って、ああいうことができるようになっているなと自分でも思う」。自身の成長も感じた国際Aマッチ2得点目。シュートは対峙したDFキム・ヨングォンの股間を抜けていった。

「自分は足が速くないので、シュート以外のクロスとかでも、そういうところで工夫しないといけないと思っているし、常にああいう感じで狙っている」。カウンターの瞬間、チーム全体が一斉に攻守を切り替え、敵陣に攻め込んだ。

「攻守の切り替えの部分は森保さんもよく言っているし、チームとして意識している。欧州組の選手が前線で出ていて、切り替えてカウンターというのはどのチームの選手もやっていると思うし、みんなができているから前に人数をかけられたと思う」

 ゴール前に走り込む選手も、右サイドを駆け上がるMF伊東純也の姿も見えていた。「選択肢はあるなと思っていた。あれだけ中に人が入っていたから、(伊東)純也くんを使ってクロスがいいかなとも思った」。それでも「あんまり(対峙する)相手選手の対応もよくなくて、仕掛けたら行けるかなという感覚だった」とシュートを選択。「僕自身、点も欲しかったし、仕掛けるプレーは最初だったので、やり切ろうかなと思ってやり切った」と振り抜いた。

 これまでトップ下でプレーすることが多かったMF南野拓実が左サイドに入り、鎌田がトップ下を務めた。「(南野)拓実くんと話していたのは、拓実くんが中に入ってきたら自分が左に行くし、(伊東)純也くんはできるだけ右に張らせて、2枚トップ下が理想と言っていた。拓実くんが左だったけど、やりづらさはなかった」。南野と鎌田の共存が可能であることも示す試合になった。

 会心の結果だったが、試合前は不安もあったという。「ヨーロッパから帰ってきて、練習自体、みんな重そうだった。僕自身、体がまったく動かなくて、国内組の人たちにチンチンにされていたけど、試合になると、みんなスイッチが入ってすごくよかった。僕自身、不安だったからこそ危機感を持ってやれたので、最初の入りからうまくできたんだと思う」。球際でも走力でも切り替えの早さでも韓国を凌駕した完勝劇に安堵の笑みを見せた。

(取材・文 西山紘平)

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