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27歳で実現した「サッカーを始めた頃からの夢」“ゴールの匂い”知る男、DF山根視来が代表デビュー弾!

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DF山根視来(川崎F)

[3.25 国際親善試合 日本3-0韓国 日産ス]

 伝統の日韓戦で、鮮烈な日本代表デビューとなった。右サイドバックで先発したDF山根視来(川崎F)は前半17分、FW大迫勇也(ブレーメン)のヒールパスにエリア内で反応すると、迷わず右足を一閃。「枠に打ち込むことだけを意識して打った」。強烈な弾道でクロスバーに当て、跳ね返ったボールがネットを揺らした。

「自分の特長はゴールの匂いに入っていくところ」。そんな元アタッカーとしての持ち味がいかんなく発揮されたA代表初ゴール。決まった後には「ああいうところで点を取る気持ちよさのためにサッカーをやっているところもあるので、いろんな人が見てくれている中でゴールを決めることができ、喜びが爆発してしまった」と派手なガッツポーズも披露した。

 東京Vジュニアユースからユースへの昇格を逃し、ウィザス高、桐蔭横浜大を経て湘南ベルマーレでプロキャリアをスタートした27歳。世代別日本代表の経験は一度もなく、まさに“初代表”の立場で迎えたデビュー戦だった。

「日本代表の選手としてピッチに立つのはサッカーを始めた頃から夢だった」。試合前には感染防止のため選手間の接触が制限されていることもあり、「ずっと緊張していたし、ホテルの部屋にいる時も一人の時間が多いので色々考えた」という。それでも「考えることはすごくいい準備だと思う」と前向きに捉え、立ち上がりから堂々と試合に入っていった。

 力強く入ったファーストプレーから一貫して、国内組が劣るとされがちな球際にも不安は見せなかった。合流当初にはDF吉田麻也(サンプドリア)から「Jリーグの1.5倍くらいの力でいかないとだめ」と伝えられたが、「湘南時代にチョウ(・キジェ)監督に口酸っぱく言われていたのでそれを出すだけ」と気持ちで負けず。「湘南時代にしていたことが間違いなかったと証明できた」という結果を出した。

 また一列前のMF伊東純也(ゲンク)との関係性にも手応えを得たようだ。「スピードがある選手なので、1対1になった時に邪魔をしないように、僕が幅をとるのか、純也くんが幅をとるのか、純也くんの動きや相手のビルドアップを見ながらやっていた」と臨機応変さも見せた山根は「僕自身もやりやすく90分プレーできた」と振り返った。

 それでも「相手が元気になってきた時の精度や、90分間コミュニケーションを取り続けるところの質はもっと上げていくべき」と課題も見つかったという山根。「まだ一歩踏み出したばかりだし、自分にできることを一日一日やっていく。ここで海外組の強度を知れたし、良い刺激になっているので、明日から成長できるように頑張っていきたい」。デビュー戦初ゴールの快挙を成し遂げた27歳は、さらなる進化を約束した。

(取材・文 竹内達也)

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