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「いままで守れていた」初招集DF中谷の意識を変えた、大迫とのマッチアップ

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DF中谷進之介(名古屋)

 初招集のDF中谷進之介(名古屋)にとって、日本代表として最初の試合は出番なしに終わった。それでもこの活動期間を通じて、多くのものを得ている様子。26日のオンライン取材では「代表に来てから、もっと成長したいし、もっともっと上手くなれるし、もっともっと強くなれるということを感じた」と充実感を語った。

 なかでも同じポジションで、名古屋グランパス出身のDF吉田麻也(サンプドリア)からはとりわけ大きな刺激を受けているという。

「昨日の試合後にもロッカールームで話をさせてもらって、どういう体作りをしているとか、もっと栄養を摂ったほうがいい、もっとこういう筋トレをしたほうがいいということを教えてもらった」。日本代表の公式Youtubeでも、古巣を気に掛ける吉田とクラブの好調を喜び合うシーンが収録されていたが、早くも良好な師弟関係が築かれつつあるようだ。

 またトレーニングの中ではFW大迫勇也(ブレーメン)、MF鎌田大地(フランクフルト)とのマッチアップを経て、自身の立ち位置を突きつけられた。「Jリーグで通用していた部分で『これでいいかな』と思っていた部分が、代表にきてまだ変えられると感じられたのがすごく良かった」。こと大迫に関しては、単に「身体が強い」といったイメージ以上の衝撃を感じたという。

「大迫選手は身体が強いじゃないですか。だからバチンと当たってくるんだろうと思っていたら、まずは当たってこない。その前に駆け引きをして自分の空間を作ってから、球際を作らせない攻撃をしている。こういう駆け引きをしてるんだなと勉強になった」。

 日韓戦の2点目をもたらしたポストプレーも、そうした駆け引きの賜だったのであろう。「いままで守れていたことで当たり前になり、それ以上を出さなくても守り切れていたのでそれ以上を求めていなかったけど、こういうところに来るとそれ以上がいっぱいある」。日韓戦をピッチ外から見つめた中谷は「もっと出さないといけない」と成長を誓った。

 またそうした経験を大事にしつつも、「試合に出ないと分からないものもあると思うし、そこは自分で掴みに行くもの」とピッチに立つことを諦めたわけではない。

 30日にはカタールW杯アジア2次予選のモンゴル戦を控えており、「サッカーをやっていれば誰もが夢見るW杯への戦いになってくるのですごく大事」と決意。「まずは個人で負けないこと。そして冨安選手がやっていたように、GKからボールをもらってしっかりボランチにつけたり、ビルドアップの起点になるプレーは自分もできるので、しっかりやっていきたい」。具体的なプレービジョンを胸に、まずは練習からアピールしていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)

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