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[船橋招待U-18大会]注目FW不在でもパワーアップへ。今年の特長磨く京都橘がMF長谷川V弾で白星

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後半終了間際、京都橘高MF長谷川裟恭が決勝点

[3.26 船橋招待U-18大会 矢板中央高 0-1 京都橘高]

 26日、「第26回船橋招待U-18サッカー大会」で全国高校選手権3位の矢板中央高(栃木)と関西の強豪・京都橘高(京都)が激突。京都橘がMF長谷川裟恭(新3年=Vervent京都FC出身)の決勝点によって1-0で勝利している。

 京都橘は大型チームだった昨年からエースFW西野太陽(現徳島)らが卒業。ダイナミックな攻撃を特長としていた昨年に比べて今年は小柄な選手たちが多いが、春休みの活動などによって自分たちの方向性が固まってきている。特長である技術力と走力を活かし、繋いで相手の守りを切り崩すサッカーへの再挑戦。先輩たちの協力によって、強度、スピードにも徐々に対応できるようになってきている。

 京都橘は例年、卒業する3年生が選手権後も部活動に参加。今年は新人戦が行われずに実戦経験が不足するところを3年生との“真剣な”練習試合によって、強度を高めながら本格シーズン開幕への準備をすることができた。前日にプレミアリーグ勢の流通経済大柏高(千葉)と練習試合を実施していたこともあってか、この日は矢板中央のパワーに徐々に慣れて自分たちの良さを発揮。サイドからの崩しも交えてゴールに迫った。

 そして、決勝点のシーンでは、MF芳賀海斗(新3年)、MF橋本晃太(新3年)が絡んでの崩しから左中間を抜け出したMF西垣虹汰(新3年)がGKをかわす。そして折り返しを「(今年は)真ん中でのつなぎ役であったり、カウンターでゴール前に出ていくプレーだったり、攻守に貢献できるように意識しています」という長谷川が左足でゴールネットに沈めた。矢板中央のロングスローなどパワーある攻撃をGK中浦悠大とCB池戸柊宇の新1年生コンビを含めた守備陣が跳ね返して無失点。1-0で勝ち切った。

 今大会は注目FW木原励主将(新3年)がU-18日本代表候補合宿のために不在。米澤一成監督が「(木原が)いなくてもパワーアップできるように」と求める中、チームにとって自信となる勝利だ。副キャプテンの長谷川は「プレーでも、プレー外でも木原に頼っていた部分はチームであったので、抜けた時に自分が先頭に立ってまとめていくこと。チームのみんなも(自立の必要性を)感じていると思う」。ボールが安定して収まり、決定力も備えたチームリーダーがいなくても勝てる力を船橋招待で身に付けていく。

 期待された選手権は昌平高(埼玉)との注目対決で屈し、悔しい2回戦敗退。「バトルでは(昨年のチームに)負けるでしょうけれど、巧さはコイツらの方がある」(米澤監督)という世代で全国制覇へ再挑戦する。

 長谷川は「去年は大きさもあって、2トップも強力で、全国優勝行けるとみんな思っていたと思うし、僕もあるなと思っていたけれど、現実を見せられました。昌平は良いチームだったけれど完敗だったので、それ以上のことをやらないといけないし、自分たちはサイズが小さいし、これから1年で作っていかないといけない」。課題に向き合い、昨年以上の努力で積み上げて、全員で昨年以上のチームを作り上げる。

(取材・文 吉田太郎)

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