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代表でも左サイド起用…南野が語った狙い「大地とポジションが被らないように」

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MF鎌田大地(フランクフルト)とMF南野拓実(サウサンプトン)

 日本代表ではトップ下のポジションで存在感を放っていたMF南野拓実(サウサンプトン)だが、25日の韓国戦は左サイドハーフでプレーした。「トップ下が一番やりやすいポジションだが、チームでも“左ぎみ”でプレーしているし、どこでプレーしてもチームの力になるためにプレーしたい」。所属先での出番増加も追い風となり、新たな持ち場で力を発揮していく構えだ。

 南野は今年1月末、丸1年プレーしたリバプールからサウサンプトンに期限付き移籍。獲得を熱望したというラルフ・ハーゼンヒュットル監督は前線4枚が目まぐるしく動き回る[4-2-4]のようなシステムを採用する中、南野は左ウイングのポジションを任され、約2か月間で6試合2ゴールという結果を残している。

 そうして迎えた移籍後初の日本代表活動、初戦の韓国戦では所属先でのポジションと同じ左サイドで起用された。昨年10月のコートジボワール戦(○1-0)では途中出場で左サイドを担うことはあったが、先発では初めて。それでも森保一監督は昨年の活動からDF吉田麻也(サンプドリア)とDF冨安健洋(ボローニャ)のCBコンビを入れ替えるなど、所属クラブのポジションに合わせた起用をたびたび行っており、南野の配置転換の背景にもそうした狙いがあったとみられる。

 韓国戦の基本布陣は[4-2-3-1]。それでも南野が攻撃時に左サイドで幅を取って張り出す場面は少なく、中間ポジションまで絞ってトップ下のMF鎌田大地(フランクフルト)とともに2シャドーを構成するような位置取りが見られた。

「僕はどちらかというと中でプレーしたいタイプなので、そうなった時に大地とポジションが被らないようにプレーしたいと話をしていて、大地も周りを見ながらポジショニングを取ってくれた。僕も大地のポジションを見ながら被らないようにと心がけていた」。

 韓国戦での連係面について詳しく語った南野は「カウンターでは大地のほうからうまくゴールにつながった部分もあったし、うまくいった部分もあったし手応えを感じている」と前向きに振り返った。

 今後はそうした個人間の手応えを、チーム全体のバランス向上にも活かしていくつもりだ。右サイドではこれまで通りにMF伊東純也(ゲンク)がサイドの幅取り役を担う一方、左の大外はサイドバックの攻め上がりを促していく構え。すなわち、森保監督が昨年の活動で再トライを進めていた[3-4-2-1]に近い構造を思い描く。

「押し込む時間が多くなるのなら、僕とサイドバックの選手の関係性をもう少し攻撃的にして、サイドバックの選手が高めの位置を取ってそのスペース(左サイドの大外)を使えれば」。そうイメージを語った南野は「試合によっては僕がもう少しワイドに張って、大地のスペースを空けて、彼がもう少しトップ下のスペースを自由に使えるようにというのも必要になってくるかなと思う」と述べ、臨機応変に変化させていく意向も示した。

 30日に控えるカタールW杯2次予選のモンゴル戦では、まさに「押し込む時間が多くなる」ことが想定される。自身が持つW杯予選開幕からの連続ゴール記録を『5』に広げることも期待される南野は「(リバプールで)試合に出られていない時期に比べるとコンディションは良いし、感覚もよくなってきている。証明できるよう、結果にこだわってチームに貢献できれば」と意気込みを語った。

(取材・文 竹内達也)
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