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鎌田大地が思い描く未来図…目指すべきポジションと2つの夢

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前日28日の練習から合流したMF鎌田大地

 25日の韓国戦(○3-0)で追加点を決めながらハーフタイムに交代し、試合翌日から2日間、別調整を続けた日本代表MF鎌田大地(フランクフルト)がオンラインで取材に応じ、「今はもう大丈夫」と、30日のW杯アジア2次予選・モンゴル戦(フクアリ)出場に問題がないことを強調した。

「試合中に少しケガをするリスクがあるかなと自分で判断した」。韓国戦でハーフタイムに交代した理由をそう明かした鎌田は2日間の別メニュー調整を挟み、前日28日の練習から合流。「休んだおかげで今はもう大丈夫。しっかり準備はできています」と語った。

 韓国戦では4-2-3-1のトップ下で先発し、これまで森保ジャパンのトップ下を務めることが多かったMF南野拓実が左サイドに回った。「僕自身、自分に一番合っているポジションでできていると思うので、その分いいプレーをしないといけないと思っている」。南野とのポジション争いが激しくなる一方、2人が共存することで新たなオプションとなる可能性も感じさせた。

 韓国戦では右サイドのMF伊東純也がサイドに張り、鎌田と南野の“ダブルトップ下”のような形になる局面もあった。2シャドーは所属するフランクフルトでも使われるシステムで、「僕自身、2シャドー自体はやりやすいと思っているので、そうなればプラスになることも多いと思う」と指摘。フランクフルトでも試合によってトップ下1枚と2枚を使い分けており、柔軟なプレーにつながった。

「周りの選手をうまく使って、自分がうまく使われる側にもなるというのが、将来的な自分の特徴になってくるのかなと思っている」。鎌田はかねてもう一つ低い位置、インサイドハーフやボランチでのプレーを目指していることを公言してきた。

「昔、僕自身がよく言われていたけど、トップ下の選手はあんまり走らなかったり、攻撃の部分だけだったり、そういう選手が多いイメージがあると思う」。そうした典型的なトップ下の選手の枠におさまらず、攻守においてより万能なプレイヤーになっているのも、そうした未来図を描いているからに他ならない。

「自分が将来的にもっと上のクラブでやるためにということを考えたとき、もう一個下のポジションをやりたいと思っている。そのために必要なことにトライしていて、守備もしないといけないし、よく走らないといけない。現代フットボールでは、中盤の選手は攻撃も守備もたくさん走ることも、すべてできないといけない」

 フランクフルトは現在、来季チャンピオンズリーグ出場圏内の4位をキープしている。「チャンピオンズリーグ優勝というのは小さいころからの自分の夢だった。今年(8月)で25歳になるので、そこまで若くない。来季はチャンピオンズリーグに出たいと思っているし、今は可能性がある状態なので、目の前の1試合1試合を戦って、シーズンが終わったときにその出場権が取れていればいいなと思う」。自身初のCL挑戦がさらなる飛躍にもつながるはずだ。

「W杯も小さいころからのもう一つの大きな目標だった。W杯は行くだけでなく、主力として出たいというのは昔から思っていたし、昔から揺るがない」。日本の目標であるベスト8、ベスト4へと勝ち進むためにも「僕自身がいいクラブでプレーして、ポジションを取って、スタメンで出続けることが一番大事だと思う」と力説。鎌田の描く青写真の中ですべての夢はつながっている。

(取材・文 西山紘平)

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