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遠藤航とのボランチ連係に大きな手応え…MF守田「飛び出した時の不安が一切ない」

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 ポルトガル移籍からわずか2か月、MF守田英正(サンタクララ)がたくましくなった姿で日本代表に帰ってきた。復帰初戦となった25日の韓国戦では、攻守ともに持ち味を活かした力強いプレーを披露。選手・スタッフの間でも「この数か月間でこれほど変わるのか」という会話が交わされているようで、一夜にしてボランチのレギュラー候補に名乗りをあげた。

 守田は29日に行われたオンライン取材で「日本に移動して二日しか練習していなくて、みんなでコミュニケーションを取れる時間もなかった中、チームとして個人として高いレベルでプレーできたのは自信につながった。3-0という形で結果を出せたことがよかった」と韓国戦を総括。「強度の高さを求めて海外に行って、この2か月で球際やセカンドボールを拾うところ、インテンシティーを高めてきた」と海外移籍の成果を誇った。

 そんな飛躍の裏には「メンタル的な部分はだいぶ変わったと思う」と自ら認める変化があったという。大卒1年目の2018年9月に森保ジャパン最初の活動で初招集を受け、アジア杯でのメンバー入り(負傷辞退)、キリンチャレンジカップ3試合の出場と順調にステップアップを続けていた守田だが、当時からの経緯を次のように語る。

「遠慮していた部分もあったし、海外組の選手は憧れであり目標にしていたので、対等の水準でものを話すことができなかった。いまはリーグに上下はあるけど、環境に適応すること、言語が違うこと、いろんな部分で同じステージだと思っている。共感できる部分と、また知っていきたい気持ちが大きいので、僕のほうからピッチ外でも先輩方に話を聞いて、発信するという行動力が少なからず芽生えたと思う」。

 そうした充実感は具体的に語られるプレービジョンからもうかがえる。ボランチの相方を務めたMF遠藤航(シュツットガルト)との関係性について問われた守田は「僕と考えが似ている。守備のところだと奪いに行くタイミング、出ていくタイミングで僕と重なる部分がある」と述べ、次のように続けた。

「僕が前に飛び出した時にちゃんとカバーに入ってくれるという、そこの不安が一切ない。川崎F時代は後ろに比重を置きながらビルドアップしていたが、前でもできるよというのをポルトガルに行ってから見せられている。そこで航くんには後ろで安定を図ってもらって、僕が前に出ていくシーンが韓国戦でもあった。そのイメージはお互いに共有している」。

「ビルドアップでもそこまでポジションが被ったり、お互いの距離感が遠くなることもない。僕たちがポジションを取っている最中にセンターバックから前に飛ばしてボールが入った時もサポートに入っていける、セカンドボールを拾えるというお互いの距離が良かった」。

 その一方、課題もしっかりと見据えている。韓国戦での反省点は「位置が低いところでファウルをしたり、ロストしたりということがあった」ところ。またトップ下のMF鎌田大地(フランクフルト)への縦パスについても「もっと出してくれていいという話をされている。出した後のことも考えて出さなかったりしているけど、大地はアイデアを持っているし、いつでも出していいという準備をしている。パスの本数はもう少し増やしていける」と改善の余地を語っていた。

 代表でのレギュラー奪取を見据える上でも、真摯に成長と向き合っている。

 今回はこれまで森保ジャパン最多出場のMF柴崎岳(レガネス)が不在の中での出場となったが、「長年日本代表を支えてきた選手で、光るものがあるので、そこで勝負しても勝てない。攻撃のセンス、一本で刺すようなパス、キックの精度は正直僕にはまだまだ足りない」とリスペクトを表現。その上で「守備面で人を助けること、守備の部分では負けていないと思う」とし、「僕が岳くんを超えていくためには攻撃で光る特長をつくっていかないといけない」と意気込みを語っていた。

 そんな守田にとって、1年4か月ぶりの再開を迎えるカタールW杯2次予選は絶好のアピールチャンスとなる。2019年1月のアジア杯ではメンバー入りしながら負傷辞退しており、初の国際大会。「まだ勝って当たり前と思われている試合、絶対に勝たないといけない試合の重圧や、国を背負って戦うという局面に巡り合っていない。その一歩目ということですごく楽しみだし、重要な試合になる」と決意を語る。

「2次予選を勝ち上がって最終予選になると引き締まった部分は増えるだろうし、本大会に出場した時にはステージが上がるにつれて重圧は増えていくと思う。ワクワク感が選手として必要だと思うし、プレッシャーも楽しめるタイプだと思う。楽しみですね」。目線の先にはW杯本大会。30日のモンゴル戦で、まずはその足掛かりを掴む構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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