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抜群の運動量で市船の攻守に係るMF坪谷至祐、抜擢に応えた流経柏戦が飛躍のきっかけに

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市立船橋高MF坪谷至祐は広島皆実高戦で1ゴール

 市立船橋高(千葉)は、「第26回船橋招待U-18サッカー大会」(千葉)最終日に広島皆実高(広島)と対戦し、2-0で勝利。選手権1得点のMF坪谷至祐(新3年=FC刈谷出身)は後半からシャドーのポジションに入り、ショートカウンターのフィニッシャー役として1ゴールを挙げた。

 1-0の後半16分、市立船橋は左SB大我祥平(新2年)のインターセプトを起点に速攻。FW松井達誠(新3年)の落としを受けた坪谷は1タッチの右足シュートでゴールを破った。坪谷は「攻撃の要としてシャドーがあると思っていて、ビルドアップでも係るし、FWに入った時とかは一番にサポートをして、クロスとかにも入っていく」という意識を持ってプレー。持ち味の守備面に加え、貴重なゴールで勝利に貢献した。

 波多秀吾監督は坪谷の特長について、「運動量がとにかく多い。色々なところでセカンドボールを回収したり、距離を詰めてバチッと奪えたり、そういうところですね」と説明する。その坪谷は昨秋の選手権予選で準決勝までサブだったが、決勝で先発に抜擢。すると、運動量を活かした守備でチームに勢いをもたらした。決定機を逸したシーンがあったことは確か。それでも、延長後半でも勢いを維持したMFは、同終了間際に右サイドの混戦を力強い動きで抜け出して決勝点をアシストした。

「とにかく一生懸命、とにかく頑張ろうと思って、最初から全部全力で行っていました勢いで。(アシストのシーンも)勢いでしたね」。流通経済大柏高との宿敵対決で勝利に大きく貢献。その活躍が自信となった。

「県予選の決勝で凄く自信になって、自分の長所の守備のところで活躍できたので、ここが(高いレベルでも通用する)長所だなと分かって。全国大会でも自信を持って守備とかで活躍できて、活躍できると自分の気持ちも上がっていくからどんどん良い方に行けました」と振り返る。

 今年は昨年の10番、MF佐久間賢飛(3年=拓殖大進学予定)のように際の部分で強さを発揮し、ゲームメークすることも期待されている。その坪谷は「一番近くで見てきた」先輩を参考に、身に付けていた力を発揮する意気込みだ。

 チームは25分ハーフの「第26回船橋招待U-18サッカー大会」で矢板中央高(栃木)や桐光学園高(神奈川)を破って2位。だが、波多秀吾監督は「大学、高校の練習試合でもそうなんですけれども25分だから何とかなっているのであって、45分になったらおそらく厳しくなってくるだろうな、実力が無いなというのは現段階では感じています」と厳しい。

 指揮官が「負荷を上げて守備のところなんかも運動量を持っていかないといけないですし、奪ったあとの質。守から攻のところの質を上げていきたい」と語る中、昨年からの経験者である坪谷はボールロストが増えていた広島皆実戦から改善し、求められていることを率先して体現していく。

 新チームにとって最初の公式戦となるプレミアリーグEASTは4月4日が初戦。厳しい戦いが予想されるが、波多監督は1年時から試合や組み合わせによって力以上のものを出してきた世代に「期待値、伸びしろはあるかなと思います」と期待する。

 坪谷は「勝ちたいので、勝ちにこだわりたいので、正直ボール持たれたりすることは多いと思うんですけれども、勝ちにこだわって、少ないチャンスを絶対にものにするというところで勝っていけたらなと思います」と宣言。大一番をきっかけに成長を続けてきたMFは、プレミアリーグでチームのために特長を発揮し、強敵から白星を掴む。

(取材・文 吉田太郎)

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