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24年ぶり記録更新の14発大勝に吉田麻也「評価はしづらい」

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キャプテンマークを巻いて先発したDF吉田麻也

[3.30 W杯アジア2次予選 日本14-0モンゴル フクアリ]

 歴史的な大勝にも満面の笑みとはいかなかった。W杯予選では1997年3月と6月に行われた1次予選・マカオ戦(いずれも10-0)を上回り、24年ぶりに史上最多記録を塗り替える1試合14ゴール。日本代表DF吉田麻也(サンプドリア)は「あまりにも力の差がありすぎたので評価はしづらい」と率直に認めた。

 FIFAランキングは日本の27位に対し、モンゴルは190位。明らかな格下相手の一戦は前半13分のMF南野拓実の先制点を皮切りに怒涛のゴールラッシュを見せた。「前半は相手も気持ちを高く持っていたし、スタミナ的にも十分残っている状態だったので、そこでいくつ崩せるかが大事だと思っていた」。早い時間帯での先制点に続いて前半23分には吉田のスルーパスからFW大迫勇也が追加点。その後もクロスから3点を追加し、前半だけで5ゴールを奪った。

「いい形で幅を使って、サイドに展開しながら短いパス、長いパスを織り交ぜて、いろんなバリエーションで相手を揺さぶることができたと思う」。後半も攻撃の手を緩めず、計14ゴール。大迫のハットトリックに南野、MF鎌田大地、MF伊東純也ら攻撃陣がそろって得点を挙げ、途中出場のMF稲垣祥、MF古橋亨梧、FW浅野拓磨もゴールを決めた。MF守田英正、稲垣、古橋は代表初ゴール。点を取るべき選手が取り、アピールが欲しい新戦力も結果を残した。

「満遍なくいろんな選手が点を取ったことは、いろんな選手にとって良かったんじゃないかなと思う」。後半アディショナルタイムに3ゴールを奪うなど、最後まで攻撃の手を緩めなかった姿勢も称えたキャプテンはそのうえで「ただ、難しいですね。点差が広がると『相手が弱い』と言われるし、点を取れないと『大丈夫か』と言われる。難しいところですね」と苦笑いを浮かべた。

「チームとしてはもっともっと強い相手と戦って、一進一退の試合の中で高いパフォーマンスを出す。その経験を積むことが大事だし、そういう試合を自チームで経験することも大事だと思う」。2次予選を突破したあとの最終予選、さらにはその先の本大会を見据えたときに、やはり大事になるのは所属クラブでのプレーだ。

「まだまだ欧州の強いチームでプレーしている選手は少ない。夏に移籍する選手が一人でも多く出ないといけないし、そういうところに身を置くのが一番の近道だと思う。上のレベルでだれかがやれば、相乗的にチームもいい方向に向かっていく。一人でも多くそういうところに身を置くのが大事だと思う」と持論を説いた。

(取材・文 西山紘平)

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