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湘南内定MF鈴木が決勝ゴール!選手権16強の帝京大可児がプリンス東海開幕戦で4発逆転勝ち!

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後半35分、帝京大可児高は湘南内定MF鈴木淳之介(右)が決勝ゴール

[4.3 プリンスリーグ東海第1節 帝京大可児高 4-2 浜松開誠館高 長良川球技メドウ]

 選手権からアップデートして日本一へ再挑戦する。3日、高円宮杯 JFA U-18 サッカープリンスリーグが各地で開幕した。プリンスリーグ東海第1節で全国高校選手権16強の帝京大可児高(岐阜)と浜松開誠館高(静岡)が対戦。帝京大可児が湘南内定MF鈴木淳之介(3年)の決勝点によって4-2で逆転勝ちした。

 帝京大可児は選手権で2勝。3回戦でもV候補・青森山田高(青森)相手に先制し、逆転されながらもゴールを奪い返すなど、技術力と駆け引きを駆使して印象的な戦いを見せた。当時先発した鈴木、新10番のMF三品直哉(3年)、CB糸魚川侃太郎(3年)、GK原幸大(3年)と先発4人を残す今年、「チームを築いて行って最後選手権で全国優勝したいです」(三品)という目標へスタートを切っている。

 その青森山田戦ではセットプレーで飲み込まれたが、いきなり長身選手を揃えることはできない。だからこそ、「(自陣で外へ)ボールを出さずに相手陣内で前進する回数を増やさないと全国では戦えない」(仲井正剛監督)ということがテーマ。全国で勝つためにアップデートしてきた帝京大可児だが、この日は久々の公式戦の緊張や、天然芝の試合ということもあってややボールロストが増えてしまい、納得の行くゲームではなかった。

 立ち上がり、ファーストプレーで自陣コーナー近くでのスローインを献上。ただし、その後は意識して相手スローインの回数を減らし、攻撃も湘南への練習参加から今週チームへ復帰したばかりの鈴木や三品、MF関駿太郎(3年)が中心となってボールを前進させる。そして、前半20分、鈴木がワンツーからダイレクトの“絶品”スルーパス。これで左中間を抜け出したMF松永悠碁(3年)が左足で先制点を叩き出した。

 対する浜松開誠館は、距離感の良いポジショニングと球際の強度高い守備で対抗。セカンドボールの回収光るMF三浦成貴(3年)やタイミングの良いインターセプトを見せていたMF峰松叶人(3年)がボールを刈り取る。そして正確に繋ぐ回数を増やし、左足の精度高いMF望月航(3年)やFW荒木陽向(3年)のクロスがゴール前を横切った。

 その浜松開誠館は、青嶋文明監督が前線のポジションチェンジを指示した直後に同点ゴール。32分、俊足右SB山口大翔(3年)のクロスのこぼれ球をMF秦心太朗(3年)が右足ダイレクトボレーでゴールに突き刺した。

 ハーフタイムに2人を入れ替えた浜松開誠館はさらに後半5分、交代出場で前線を活性化したMF松本大樹(2年)がバイタルエリアで前を向いてスルーパス。抜け出した荒木がGKをかわして勝ち越しゴールを流し込んだ。

 この日は思い通りの戦いができなかった帝京大可児だが、それでもポゼッションを継続。鈴木や右SB熊澤伶(3年)が再三ゴール前に顔を出すなど厚みのある攻撃、崩しで同点を目指す。すると23分、浜松開誠館がビルドアップで痛恨のミス。帝京大可児は仲井監督が「今日は収まらなかったですけれども、(この試合前まで)ずっと良かった。献身的で駆け引きできる」と評するFW佐藤優多(3年)が相手GKのパスをインターセプトし、そのまま右足で同点ゴールを決めた。

 今年の浜松開誠館は青嶋監督が「(苦しい時に)拠り所が無い」と評する現状。個々は頑張りを見せていたが、ミスを跳ね返すパワーを見せることができなかった。逆に帝京大可児は35分、“役者”が決めに行って決勝点。鈴木が松永とのワンツーで左中間を抜け出し、そのまま角度のない位置から左足シュートをニアへ叩き込んだ。

 勝ち越した帝京大可児はさらに37分、この日精度の高い左足キックを連発していた三品の右CKのこぼれ球をFW 永井斗梧(2年)がスライディングシュートで押し込む。浜松開誠館も坂上輝(2年)の右足シュートがクロスバーを叩くシーンがあったものの、帝京大可児が4-2で白星発進している。

 1ゴール1アシストで勝利に貢献した帝京大可児の鈴木は「(チームは)ここから上がってくると思う。去年よりはちょっとクオリティーが落ちていると思うので、近づけていけるように練習で上げていきたいです」。ここからトレーニングやリーグ戦で質を高めて昨年超え、そして日本一を目指す。

(取材・文 吉田太郎)
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