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[プレミアリーグEAST]渡邊星来2ゴール!松木玖生!田澤夢積!青森山田は敵地4発で開幕快勝!

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FW渡邊星来(17番)の先制点に、青森山田高のチームメイトも歓喜

[4.4 プレミアリーグEAST第1節 浦和ユース 0-4 青森山田高 駒場]

 青森山田、好発進。

 4日、高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグEAST第1節で浦和レッズユース青森山田高が対戦。FW渡邊星来(3年)、MF松木玖生(3年)、MF田澤夢積(3年)がゴールを挙げた青森山田が、0-4と敵地で快勝した。

 前半2分。左SB多久島良紀(2年)がロングスローを左から投げ込み、こぼれを松木が叩いたボレーは枠を越えるも、開始早々に繰り出したストロング。11分にも多久島の左ロングスローに、FW名須川真光(3年)が合わせたヘディングは、浦和ユースのGK川崎淳(3年)がキャッチしたが、立ち上がりから青森山田がセットプレーの連続で、主導権を奪いに掛かる。

 一方の浦和ユースは、「もちろん相手はストロングを出してくるだろうし、そこは想定の中で、そういうものをかいくぐって自分たちのスタイルを出そうという所も準備はしていたんですけどね」と池田伸康監督も話したように、ロングスローは想定していたものの、クリアでタッチラインに切っても、またゴール前での守備を強いられる展開で手数を出せず。14分には右SB岡田翼(3年)のクロスをFW小川聖凪(3年)が落とし、MF萩元雅樹(2年)のチーム初シュートは、青森山田のGK沼田晃季(3年)がファインセーブで応酬する。

 すると、やはり先制点はロングスローから。28分に多久島が右からボールを投げると、こぼれを拾ったCB丸山大和(3年)のシュートを、「もう自分の嗅覚というか、ゴール前だったのでフォワードとして詰めたという感じです」と振り返る渡邊がプッシュ。2トップの一角に入ったストライカーが結果を出す。

 続く35分にも再び17番が輝く。松木からの縦パスを引き出し、さらに名須川とのワンツーを経て、エリア内へ侵入。「スライディングしてくるのがちょっと見えたので、1回キックフェイントを入れて」右へ持ち出しながら、対角へ打ち込んだシュートがネットを揺らす。このゴールには黒田剛監督も「落ち着いて相手をかわして、ああいう所は凄く上手になったなと思います」と高評価。華麗な中央突破から、渡邊のドッピエッタでスコアは0-2に。

 43分には多久島の左ロングスローから、CB三輪椋平(3年)のシュートは浦和ユースのCB土橋公哉(2年)がライン上でかき出すも、その1分後に生まれた追加点。44分。ピッチ中央で前を向いた松木は「シュートレンジだったので、右足を思い切って振ってみようと」利き足とは逆の右足一閃。これが綺麗な軌道を芝生上に描き、ゴール右スミへ吸い込まれる。「ちょっと思い通りに行き過ぎてビックリしました」と笑うキャプテンのゴラッソ。青森山田が3点をリードして、最初の45分間は終了した。

 後半も青森山田は攻め手を緩めず。4分には渡邊が「自分より夢積の方がフリーな位置でボールを受けてシュートを打てると思ったので、ボールを託しました」と左へラストパス。田澤の豪快なシュートがゴールネットを貫き、4点目。MF小原由敬(3年)の欠場を受け、スタメンで送り出した指揮官も、「ああいった所でコースにしっかりと1本決められたというのは凄く大きかったと思う」と言及した16番が一仕事。点差が4点に広がる。

 苦しくなった浦和ユースは、それでも時間を追うごとに“地上戦”での持ち味を徐々に発揮。キャプテンのMF大野海翔(3年)とMF堀内陽太(2年)で組むドイスボランチで左右にボールを動かしつつ、攻撃のリズムを作ると、21分にはCBアピッチ輝(3年)のフィードをFW舘樹(3年)が繋ぎ、FW伊澤壮平(3年)のパスからMF高橋悠(3年)が枠内シュートを放つも、沼田が好守で立ちはだかる。

 26分は青森山田。松木の左FKに、飛び込んだ名須川のヘディングは川崎が弾き出し、詰めた渡邊のシュートはクロスバーにヒット。28分も青森山田。ペナルティエリア内で名須川が倒されて、獲得したPK。キッカーの松木が左を狙ったキックは、しかし左ポストを直撃してしまい、5点目には至らない。

「後半は相手を見て、判断して、ボールを運ぶという所は多少表現できたかな」と池田監督も口にした浦和ユースは、44分に得点機。大野が蹴った右CKから、土橋が2本続けてシュートを打ち切るも、沼田も2本続けてファインセーブを披露し、万事休す。「冬場を含めて積み上げてきたモノ、3月の遠征等で積み上げてきたモノ、修正してきたモノがどれくらいできるかという所で、まず100パーセントやってみて、その中でダメな所を2節目、3節目で少しずつ改善していこうと。だから、まず後ろはゼロで抑えようと言っていたので、それが結果として出たということは明るい材料ではありますね」と黒田監督。青森山田が0-4の快勝で、開幕白星を手にする結果となった。

 印象的だったのは試合終了直後。PKを失敗した松木は、悔しそうに咆哮しながらベンチに座って天を仰いだ。「4点差が付いていたので、すぐに切り替えてチームのために戦おうとは思っていましたけど、メチャメチャ悔しいです。なかなか外すことはないので、名須川に申し訳ないです」。試合によっては、この1本が大きな意味を持つことを十分に理解しているが故の行動だった。

 渡邊も自身の3点目を決め損ねた悔しさを、こう語っている。「ハットトリック、行けましたね。そこがまだ自分の課題だと思うので、『1本中の1本』が青森山田では言われていることで、自分でもまだそこにこだわれていないので、明日からまた『1本中の1本』にこだわっていけるように、努力していきたいと思います」。

「1点を争う攻防となった時には、PK1つにしてもそういった所が仇になってくるので、完全にダメを押せるような、チームとしてそういうメンタルになっていかないといけない。4点獲っているからいいではなくて、何が何でも次にあるチャンスを決めなきゃダメだということで、そこにはこれからもこだわらせていきたいなと思います」と黒田監督。まさに勝って兜の尾を締める青森山田。そのこだわり、際限なし。

(取材・文 土屋雅史)
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