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“濃厚接触疑い”で指揮官不在、スタメンも入れ替え…C大阪小菊コーチ「全員が戦って、走り切った」

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[4.6 J1第8節 横浜FM1-0C大阪]

 出場機会の少なかった選手が奮闘を見せたセレッソ大阪だったが、アウェーで勝ち点を持ち帰ることはできなかった。試合後、急遽指揮をとった小菊昭雄コーチは「ハードワークして全員が戦って、走り切ったゲームだった。勝ち点を持って帰れなかったのは私の力のなさだと痛感している」と振り返った。

 C大阪では試合前、緊急事態に見舞われていた。前日5日から選手1人とトップチーム関係者2人に新型コロナウイルスの陽性判定が下され、レヴィー・クルピ監督を含む関係者2人に濃厚接触者の疑いがあると認定。そのため、この日は試合開催可否の最終決定がキックオフ2時20分間前にまでもつれ込み、クルピ監督がベンチ入りできずに小菊コーチが代わりに指揮をとることとなった。

 また先発の顔ぶれも大きく変化し、前節まで全試合に先発していたFW大久保嘉人、DF瀬古歩夢、DF丸橋祐介の3選手がいずれもメンバー外。小菊コーチは「今後クラブからの連絡があるかと思うが、この場では回答を差し控えさせていただく」と起用の理由については明言を避けたが、ここまで出場機会の少なかったDF進藤亮佑、DF新井直人、FW松田力を初先発させる決断がなされた。

 もっともそうした中でも、試合前にクルピ監督から「こういう困難な状況だからこそ、チーム力が問われる。個人の忍耐力が問われる大きなチャンスなんだ」というメッセージを受け取り、「清武キャプテンを中心に良い準備をしてくれた」という選手たちは上々のパフォーマンスを見せた。

 守備では自陣に引いて守る時間こそ長くなったが、危険なエリアには入り込ませずに対応。攻撃では、右サイドを有効に使ったクロス攻勢から決定的な場面をつくり、途中出場の選手でギアを上げた後半はFW中島元彦やFW加藤陸次樹の惜しいシュートも見られた。

 ところが、結果はついてこなかった。決定機を決めきれずに迎えた後半42分、向かって右からのコーナーキックに対し、ゴール前の波状攻撃からFWオナイウ阿道のゴールを許して失点。これが決勝点となり、横浜FM相手に10年ぶりの黒星を喫する形となった。

 試合後、小菊コーチは「チームとして厳しい状況のゲームだったが、チャンスを得た選手が力を出してくれた。全員がハードワークしながら愚直に戦うところを表現できた」、「普段試合に絡めなかった選手が躍動してくれたところが大きな収穫」と次々に選手たちを称え、「こういう状況下で同じ方向を向いて戦ってくれたことを感謝している」とねぎらった。

 その上で「クルピ監督が積み上げてきた守備のところは誰が出ても変わりなく、規律を守って表現できた。課題のところは攻撃だった。そこはチームとしても個人としてもレベルアップできるように取り組んで行けたら」と指摘。「今日出た課題、良かった点をもう一度整理して、連戦が始まるので、しっかりと一つ一つ前進できるようにしていきたい」と先を見据えた。

(取材・文 竹内達也)
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