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「自分らしい10番」像の確立へ。横浜FMユースの右サイドはMF横溝広太が支配する

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横浜F・マリノスユースのレフティMF横溝広太

[4.10 プレミアリーグEAST第2節 柏U-18 2-3 横浜FMユース 日立柏人工芝]

 名門のトリコロールでこの番号を背負う意味は、自分が一番よくわかっている。「やっぱりF・マリノスの10番というのは特別な番号だと思っています。でも、あまり気負い過ぎずに、自分らしい10番としてプレーできたらなと」。横浜F・マリノスユースのナンバー10。MF横溝広太(3年)の左足が猛威を振るう。

 もともとはバリバリのフォワード。前線の中央で輝くタイプだったが、最近は右サイドハーフでの起用が増えてきたことで、意識にも変化が現れてきた。「ボールを運びながらパスとかロングキックで自分の良さを出していくタイプなんですけど、右サイドで出ることになってからは、プレーのキレや一瞬の速さも意識して試合に入っています」。

 今節の柏レイソルU-18戦も前半から右サイドでボールを受けつつ、カットインしながらシュートとパスをチラつかせるプレーで、相手のディフェンスに圧力を掛け続けると、利き足が輝いたのは1点ビハインドの38分。FW内野航太郎(2年)のパスを受けた瞬間から、イメージは湧いていた。

「その1個前のプレーでトラップが大きくなってしまったので、そこの部分を修正しながらちょっと深めにトラップして、自分の思った通りに置けたので、あとはファーに流し込むだけでした」。左足で完璧にコントロールされたボールは、左スミへ綺麗な弧を描いてグサリ。「アレはヤバかったですね。気持ち良かったです」という一撃が、チームに大きな勢いをもたらす。

 後半もとにかく仕掛ける姿勢から、常に漂わせる得点の予感。「普段からキレキレというタイプではないんですけどね」とは本人だが、放った3本のシュートはいずれも際どいもの。横溝が支配していた横浜FMユースの右サイドは、常に危険なエリアであり続けた。

以前から好きだったのは、リバプールのFWロベルト・フィルミーノ。味方を生かす動き方を参考にしていたものの、最近はある選手が気になっているという。「サイドをやるようになってから、マンチェスター・シティの(リヤド・)マフレズ選手に注目していて、『どういうさらし方をするのかな』とか、映像で見ていますね」。プレミア屈指のレフティドリブラーに、自らの新スタイルを重ねている。

とはいえ、やはり一番の喜びはゴールを奪うこと。掲げる目標も頼もしい。「個人では二桁ゴールですね。まずはそこを目指して、プレミアリーグの得点王になりたいと思います。チームとしては、初戦は負けてしまったんですけど、ここから全勝して、プレミアリーグで優勝したいですし、クラブユース選手権も優勝して、全部獲れるタイトルは勝ち獲りたいと思います」。

プライマリーからの生え抜き。10番でレフティ。ロマンあふれる横溝が、プレミアの舞台で暴れ回る。

(取材・文 土屋雅史)
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