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「あの試合」を経験した選手としての使命感。MF福井太智はU-17代表候補でも意識高い日々

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キャプテンマークを巻いてU-17日本代表候補の練習試合に参加したMF福井太智(鳥栖U-18)

[4.14 練習試合 U-17日本代表候補 1-0 明海大 高円宮記念 JFA夢フィールド]

 プロの世界を体感した選手としての使命感。「自分のこの歳であの試合を経験できたことは大きい。サッカーに対する意識、強度が変わったと思っています」というMF福井太智(鳥栖U-18)が、U-17日本代表候補合宿(4月12日~15日、高円宮記念JFA夢フィールド)でも意識高い日々を過ごしている。

 福井は今年、トップチームに2種登録されて3月3日のルヴァン杯・鹿島戦で先発出場。だが、出場した45分間は「何もできなかった」という内容に終わり、自分がまだまだ力不足であることを痛感した。

 だが、「あのピッチに立ったからこそ、もう一回ピッチに立たせてもらった時に何ができるか」「このユース年代では絶対的にやらないとあそこでは何もできない」と語る福井は、悔しいトップデビュー戦から変化したことを表現している。

 U-17日本代表の森山佳郎監督は、「(3月の)サニックスカップとかで福井のプレーを何度も見させてもらって、トップを経験して『やらないといけない』という使命感が出ていたので」と今回の候補合宿に招集した理由を説明する。

 その福井はU-17日本代表候補合宿にも使命感を持って参加。「自分を出していきたいという思いで来ました」というMFは初日からアグレッシブな動きを続けている。この日の練習試合でも球際の部分で奮闘。また回数を十分に増やすことこそできなかったが、得意とする仕掛けや飛び出す動き、周囲を使う動きを見せようとしていた。

 前日13日の午後練習後には、MF高橋隆大(静岡学園高)やMF橋本陸斗(東京Vユース)、FW貴田遼河(名古屋U-18)とともに中村憲剛ロールモデルコーチとの居残り練習に参加。短い距離でのパス&コントロールを繰り返し、日本を代表する「名手」からより質高く「止める」力を吸収しようとしていた。

「止めるというところは大事にして来ていて自信があった」というが、居残り練習を経てもっとこだわっていけることを実感。強雨の中で開催されたこの日の練習試合ではスリッピーなピッチと相手のプレッシャーによってあまり出せなかっただけに、相手選手がいる中でもしっかりと止められるように日常から意識して磨き続けて行く。

 小学生時代から一緒にプレーしてきた1学年上の先輩DF中野伸哉(鳥栖)はトップチームでレギュラーを勝ち取り、J1上位争いに貢献。“飛び級”でU-24日本代表にも選出された。「置いて行かれないように、追い越せるように」と語る福井が、“あの経験”を忘れずに成長を続けて先輩の背中に近づく。

(取材・文 吉田太郎)

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