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初招集で好守見せたCBアッパ勇輝。所属チームでオーラ発信すれば“代表”のチャンスも

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U-17日本代表候補合宿(15日)でランニングするCBアッパ勇輝(日大藤沢高)

「頭の中が真っ白になった」という年代別日本代表候補初招集。だが、CBアッパ勇輝(日大藤沢高)は、U-17日本代表候補合宿(4月12日~15日、高円宮記念JFA夢フィールド)で特長の身体を張った守備、ゴールを守り切る力を発揮するなど、手応えを得て4日間を終えた。

 当初は才能たちの強度の高さ、プレースピードの速さに驚いたというが、「少しずつできるようになって、試合で自分の武器とか出せたので良かった。スライディングとか身体を張った守備ができたので守備面では手応えがありました」と振り返る。

 もちろん課題も実感し、技術力や判断力の部分は「日藤に戻ってもっとやりたい」。他の選手たちの状況判断の良さや的確な指示が、自分にはまだ足りていなかった。それでも、14日に行われた大学生との練習試合では、押し込まれる展開でも身体を投げ出して相手の攻撃をブロックするなど無失点。できることを精一杯やり続けたことで結果を残した。

 アッパが所属する日大藤沢は19年インターハイ準優勝、17年度選手権3位の実績を持つ強豪校だが、神奈川県1部リーグに所属。多くの人の目に触れるチャンスは多くない。それでも、偶然視察したというスタッフに「選びたい」と思わせるようなプレーをしたことで目に留まり、期待値込みでU-17代表候補に選出された。

 本人にとっては思いもよらぬ代表候補初選出。「自チームの(佐藤輝勝)監督から電話が来て。正直信じられなくて頭が真っ白になって、驚きました」と苦笑する。それでも、賢く、前向きなメンタリティーの持ち主は、初の代表候補活動で自分のできるベストを尽くし、今後のチャンスを広げた印象だ。
 
 今回のU-17日本代表候補合宿にはトレセン歴がほとんどないような選手たちも招集されている。「良い選手を呼びたくて仕方ない」という森山監督やスタッフは、コロナ禍の中でも可能な限り可能性のある選手たちをチェック。今回、選出外となって悔しい思いをしている選手や、「俺もいるぞ」と努力している選手たちの活躍の情報が発信されることを待ち望んでいる。

「(見に行きたいと思わせるような)オーラを発信して欲しいです。全国からどんどん発信して欲しいし、(沖縄の)石垣島でも、(北海道の)根室でもどこでも(チェックしに)行きますので」(森山監督)。今回、追加招集されたMF小池直矢(前橋育英高)も、元々大枠の候補に挙がっている中、プリンスリーグ関東初戦のハットトリックによってチャンスを掴んだ選手だ。アッパや小池に続く選手がまた現れるか、注目だ。

(取材・文 吉田太郎)

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