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街クラブからU-15代表候補合宿参加の154cmMF石井陽、“J”に名前負けせずアピール

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U-15日本代表候補合宿でアピールを続けるMF石井陽(前橋FC)

「Jという名前だけでビビらずにやることを目指しています」。今月19日から開催されているU-15日本代表候補合宿に街クラブから参加しているのは、187cmの大型GK山岡薫平(FCフレスカ神戸)と154cmの小柄なボランチMF石井陽(前橋FC)の2人だけ。大半がJクラブのアカデミーに所属している選手たちだが、石井は彼らに“名前負けしない”ことを誓った。

「チームでもJクラブと対戦することが多くて、その中で勝ちにこだわったりしている。Jの子はパスとか基礎技術が高いので負けたくない」と石井。ライバルたちの技術力の高さなどを認める一方、廣山望監督から「積極的自分の武器を出すこと」を求められるU-15代表候補で自分の特長を存分に発揮して生き残る意気込みだ。

 これまでエリートプログラムメンバーに選ばれていないという石井は、「最初は全然できないかなと思っていた」。他のボランチが落ち着きを見せたり、決定的なチャンスを作ったりする中、ドリブルとパスの使い分けの判断など課題に感じたことも確か。だが、ボールに積極的に絡み、アグレッシブに前へ出る部分など印象的なプレーを見せていた。

 特に6対5(+GK)のトレーニングでは、廣山監督から全体的にシュートへ消極的だったことを指摘されていたが、その後真っ先に行動へ移したのが石井。かなり遠目の位置から素晴らしいミドルシュートを打ち込むと、その後も相手の寄せが甘いと見るやボランチの位置から力のあるシュートを放っていた。

 自分もできることを実感しながら、代表チームで新たな「基準」を学んでいる石井は、「(代表チームに選ばれて学べることが)とても嬉しいですし、チームに持って帰って、チームがもっと良くなるようにしたい」と力を込めた。

 廣山監督は今回参加している選手たちが「基準を変える」こと、その変えた基準をチームに持ち帰って、日常を変えることを求める。U-15代表候補合宿に参加している27名のうち、最も小さなMFは、自分自身の「基準」を変えて課題を改善し、目標のU-17ワールドカップやA代表へ向けて成長速度を加速させる。

(取材・文 吉田太郎)

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