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[プレミアリーグEAST]“慢心”の芽を摘み取った青森山田の進撃続く。19得点1失点で開幕4連勝!

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青森山田高の3点目直後にMF宇野禅斗はすぐさま修正点を確認。これも強さの一端か

[4.25 プレミアリーグEAST第4節 横浜FMユース 1-4 青森山田 小机]

 19得点1失点。衝撃的な数字で達成した4連勝にも「率直に上手く行き過ぎている部分はあるかなと。でも、それを過信とせずに、常に自分たちのチームの自信として、いろいろな部分を埋めていくことができれば、まだまだ未完成のチームも良くなっていくと思います」とキャプテンのMF松木玖生(3年)は、冷静にチームの現状を分析してみせる。25日、高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグEAST第4節、横浜F・マリノスユース(神奈川)と青森山田高(青森)の好カードは、4-1で青森山田が快勝。開幕からの連勝を4に伸ばしている。

 4-0、9-0、2-0という圧倒的なスコアで積み上げた3連勝。だが、絶好調に見えるチームに、黒田剛監督の喝が入る。「今週の1週間の練習の中で“過信”というか、3連勝したので『できている』と思っていた自分たちがいて、その中で監督から『練習がすべてなのに、練習から100パーセントでやれなかったら、試合で結果が出る訳がない』と厳しく言われました」と明かすのはディフェンスリーダーのCB三輪椋平(3年)。選手たちにも改めて緊張感が走る。

「まずは守備からちゃんとやろうということで、経験の中から失点ゼロで行っていると、アップダウンの所、カバーとか修正の所が少しずつルーズになってくるものだから、そこをもう1回きちんと初心に戻ってやろうよという所ですね」とは指揮官。知らず知らずのうちに生まれ掛けていた慢心の芽は完全に摘み取られ、青森山田の選手たちはこの日のゲームへ向かう。

 先制点は前半6分。MF藤森颯太(3年)からパスを受けた松木は、「ターンした後に左足のコースが空いていたので」得意の左足でニアを貫くシュート。圧倒的なリーダーシップを放つキャプテンが、開始早々にチームを勢い付ける。

 破壊力抜群の2トップも躍動。21分にはFW渡邊星来(3年)が相手ボールを果敢に奪うと、そのままスルーパス。走ったFW名須川真光(3年)のシュートは、横浜FMユースのGK木村凌也(3年)のファインセーブに阻まれるも、2人だけで決定的なシーンを創出してしまう。

 すると、次の得点もナンバー10。27分。今年の青森山田が誇るロングスローワー、左SB多久島良紀(2年)がボールを投げ入れ、ニアで三輪が競り勝つと、「自分が入る場所は確立されているので」という松木のヘディングは、フワリとゴールネットへ吸い込まれる。得点ランクトップの名須川に並ぶシーズン4点目。点差は2点に広がった。

 ビハインドを負った横浜FMユースも40分に決定機。左サイドを丁寧に崩し、SB石塚心(3年)のピンポイントクロスに、ファーでMF佐藤未来也(2年)が合わせたヘディングは、しかし左のポストに阻まれ、ゴールには至らない。

 ハーフタイムを挟んでも、青森山田の強度は変わらず。後半12分。右から多久島が入れたロングスローがこぼれると、左サイドハーフの定位置を掴みつつあるMF田澤夢積(3年)がボレーを叩き込み、スコアは3-0に。チームコンセプトの1つでもある『1本中の1本』を、台頭してきた3年生が体現する。

 18分には横浜FMユースも、後半から投入されたMF松村晃助(2年)の仕掛けからオウンゴールを誘発して1点を返すと、終盤の37分にも石塚のクロスからMF横溝広太(3年)が決定的なチャンスを迎えるも、ここに体で飛び込んでブロックしたのは松木。「凄く押し込まれていた時間帯もあったので、あのブロックができて、より一層チームが引き締まったなと思います」と振り返るキャプテンの執念が、再びアウェイチームに火を付ける。

 41分。多久島の左ロングスローから、最後は途中出場のMF本田真斗(3年)が押し込んだボールは、カバーに入っていたDFも弾き返したものの、ラインを割っていたという判定でダメ押しの4点目に。「今日の試合に関しては正木コーチから、セットプレーが相手のウィークポイントだという話は個人的にされていて、その中でもロングスローから3点ということで、セットプレーでも点を獲ることができて良かったと思います」と松木。初心に帰ってこの一戦に挑んだ青森山田が、開幕4連勝を堂々と手繰り寄せた。

「サッカーってテクニカルな所だけではないし、強さもスピードもトランジションの所もすべてあってサッカーなので、メンタルも含めてそういう所で相手を突き抜けるぐらい上回ることができれば、サッカーというのは優勢に進められるので、ウチは何でもできるようにしています」「苦しい時でもリスタートから点を獲れるチームであれば、それはそれで良いことだし、昔の市船や国見もそういう勝ち方をしていた訳だけれど、彼らが上手くなかったかと言ったらそうではない訳で。だから、トータル的に相手を上回ることがやっぱりウチのベースとなるので、そこは先輩から代々受け継がれているコンセプトをしっかりとまっとうしていますね」。試合後の黒田監督の言葉が、この強さのすべてを物語っている。

「3試合を終えてぬるくなっていた部分は、確かにチームとしても、個人としてもあったので、そこは『まだまだ甘いな』と感じました。今回は監督にスイッチを入れてもらえて、そこは本当にありがたかったですし、厳しく言われて気付いた部分がありましたけど、本当に日本一になるには自分たちでスイッチを入れられないと、この先は勝てないと思うので、そういう所も考えていきたいと思います」と三輪。試合のピッチを見ているだけでは、このチームの真価を見誤る。妥協なき日常を積み重ねられることが、彼らの最大にして、最高の武器。青森山田、強し。

(取材・文 土屋雅史)
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