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[関東Rookie League]「継承」と「変化」。矢板中央が伝統の堅守で桐光学園撃破

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矢板中央高が白星発進。CB松本剛季主将(4番)らが健闘を称え合う

[4.24 関東 Rookie League Aリーグ第1節 桐光学園高 1-2 矢板中央高 時之栖うさぎ島2]

 関東・静岡の強豪校の1年生が90分間ゲームのリーグ戦で力を磨く「2021関東 Rookie League」Aリーグ第1節が24日に行われ、19年日本一の桐光学園高(神奈川)と矢板中央高(栃木)が激突。矢板中央が2-1で競り勝った。

 入学から1か月足らずだが、矢板中央の選手たちにはすでに伝統的な力が身についてきている。過去4年で3度の選手権3位と1度の8強。堅守と勝負強さで全国上位に食い込んでいる矢板中央の1年生が、我慢の戦いを制した。

 前半35分、左サイドから仕掛けると、左SB小関大翔の折り返しを右SH滝歩夢が仕留めて先制点。さらに後半開始直後には前線で競ったFW香崎青空が素早くセカンドボールに反応し、2点目のゴールをもぎ取る。いずれも、選手たちは歓声を上げてゴールを喜んだ。

 この日、県2部リーグに出場した1年生4人を欠く桐光学園は、2点ビハインド。だが、前評判の高いチームは、左サイドで止まらない存在になっていたMF齋藤俊輔と懐深くアイディアあるパスを配給するMF松田悠世の両翼を中心に、猛攻を繰り出す。

 そして、FW寺澤公平や齋藤らがミドル弾を含めてシュートを連発。だが、守備意識高い矢板中央は押し込まれても崩れない。気迫も違った。後半17分、味方に負傷者が出て試合が止まると、CB松本剛季主将が「すぐに集まれ!早く!」と大声で他の選手たちを集めて猛ゲキ。「ああいう時間しか一回集まって話せないので。『もう一回集中しよう』と話しました」(松本)。

 主将から叱咤され、集中して守ることを再確認したチームは「常にチームの先頭に立って、チームをまとめて勝利に導けるような選手になりたいです」という松本や球際の強さを見せるMF井上拓実、CB藤井大樹、GK大渕咲人ら各選手が終盤も我慢強く戦い続ける。

 桐光学園は後半31分、細かな崩しから最後は齋藤とのコンビネーションで寺澤が追撃ゴール。焦りすぎることなく、狙いを持った攻撃で同点を目指す。だが、まだまだ1年生チームでの活動が少ないこともあってミスも。後半アディショナルタイムに齋藤の右足ミドルがGKの頭上を襲ったが、クロスバーを叩き、直後に試合終了となった。

 勝った矢板中央の川島諒太コーチは「継承」と「変化」を掲げる。近年、全国大会で素晴らしい成績を続けている一方、準決勝の壁を超えられていないことは確か。その壁を超えるため、伝統の堅守、我慢強さを「継承」した上で、攻撃のバリエーションの増加や精度、より力強く獲り切る部分など「変化」にも1年生から取り組んでいかなければならない。

 選手たちの目標は、3年間のうちに準決勝の壁を超え、日本一になること。松本は今後のRookie Leagueの戦いへ向けて「みんなで掲げた最少失点で最多ゴール、そして全国出場を目標にやっています」。堅守に加えて攻撃面でも違いを生み出し、勝ち続けてAチームでの活躍に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
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