beacon

[Rookie League]静学、矢板中央相手に堂々の戦い見せた前橋商。特にFW松村は存在感ある動き

このエントリーをはてなブックマークに追加

前橋商高FW松村迅は推進力ある動きで攻撃を牽引した

[4.24 関東 Rookie League Aリーグ第1節 静岡学園高 4-0 前橋商高 時之栖うさぎ島4]

「2021 関東Rookie League」の開幕2試合で各校の指導者たちから評価されていたのが、群馬の公立校・前橋商高のFW松村迅(1年=ルーヴェン高崎出身)だ。登録身長は173cmだが、プレーに迫力がある。ポゼッションスタイルを貫く前橋商の前線でボールを収めてチームを前進させていたほか、オープンスペースからドリブルでゴールへ向かって行く姿、献身的にプレッシングする姿が印象的だった。

 憧れの選手はFW金崎夢生(現名古屋)。「鹿島アントラーズが自分好きで、(金崎が鹿島在籍当時)同じポジションで良いなと。ガッツがあるので」。松村もゴールへの強い気持ちを表現できる選手だ。

 前橋商は昨年も徹底したポゼッションにチャレンジしていたものの、無得点で全敗に終わっている。だが、昨年度U-16日本一の静岡学園高(静岡)との開幕戦では、こちらも評価を得ていたMF木村竜馬とMF寺島颯人のダブルボランチが相手を見ながら落ち着いてパスを繋ぐなどポゼッションする時間を増加。第2節でも0-1で惜敗したものの、矢板中央高相手に主導権を握っていた。

 まだ非力な選手が多いかもしれないが、CB飯島玄梧らDFラインの選手も相手のプレスを1タッチで剥がすなど、相手を見て正確な判断。技巧派たちが多くの時間帯でボールを握り、“異質”のFW松村がドリブル、シュートへと持ち込んでいた。

 指揮を執った澤田博之コーチ(元浦和DF)は取り切れなかったことを残念がり、最後の質の部分を指摘。また、松村も初戦後に「もうちょっとできたかなと。点も獲りたかった」と悔しがった。それでも、サッカーを楽しみながら思うような試合を展開。今後が楽しみな戦いぶりだった。

 2試合通じて存在感ある動きを見せた松村は、これからAチームを目指していく選手。「まず選手権に出てベスト4以上、優勝とかできたらいい。(個人としては)3年間でプロに行きたいですね」と力強い。昨年度、16年ぶりに選手権出場を果たして復活を遂げた伝統校が、その原動力となった技術力と判断力、そして個性を磨いてさらに上を狙う。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●2021 関東Rookie League特集ページ

TOP