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立正大MF田中宏武、弟への「ジェラシー」を持ち続けた大学生活、札幌は「自分の特長を出しやすいチーム」

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ドリブルで仕掛けるMF田中宏武

[4.25 関東大学L1部第3節 法政大1-0立正大 レモンS]

 20日に行われたルヴァン杯でJリーグデビューを飾った立正大のMF田中宏武(4年=桐生一高/札幌内定)が、中4日で戦った大学リーグ戦にフル出場した。しかし相手の徹底マークに苦しみ、持ち味を発揮できないまま試合終了。チームとしても今季初の無得点で敗れ、負けが一つ先行した。

 田中は「相手の裏のスペースを突こうとしたけど、奪いどころで奪い切れなくて押し込まれてしまった」と唇を噛むと、「(自分を)相手も意識していたと思うけど、そういう意味でも上回らないといけなかった」と自身のプレーを反省した。

 北海道コンサドーレ札幌への入団はトントン拍子で決まった。一報が入ったのは3月上旬。関東選抜Aの一員としてデンソーカップチャレンジの優勝に貢献した翌日に練習参加の連絡が入った。練習参加後に入団が決まることはなかったが、同28日に行ったエリートリーグ第1節の浦和レッズ戦に再帯同。そこで自身も手ごたえを感じたほどのアピールに成功し、獲得オファーを勝ち取った。

「早い段階で練習に呼んでもらって、一番最初にオファーを頂いたチームですし、練習参加を通しても自分の特長を出しやすいチームだと感じたので、入団を決めました。ただ監督にはもっと成長してほしいと言われています。今後も大学のリーグ戦がない期間とかで必要だと言われれば、参加したいと思っています」

 1歳下の弟、(仙台)とはサッカーを始めた時からずっと比べられてきた。そして常に評価されるのは弟だったという。「ジェラシーじゃないけど、見返してやるという気持ちで大学で取り組んできました」。しかし高卒時点でプロに進んだ弟に追いついたとはまだ思っていない。「これからプロの舞台で活躍することが大事。まずは個人としてピッチに立つことを目標にしたい」と足元を見つめながら確実な成長を目指す考えだ。

 持ち味は何と言ってもスピード。練習参加した際、背後に抜けるスピードが通用したことも自信になった。左サイドを主戦場とするが、クラブからは右サイドでのプレーも求められているという。そして田中は「成長していきたい」という言葉を何度も繰り返して、更なるレベルアップを誓う。

「札幌は若い選手が実力次第で試合に出られるクラブ。自分のアピール次第で試合に絡んでいけると思うので、アピールしていきたい。この時期に決めてもらったので期待してもらっていると思うけど、まだまだ足りない部分はあると思うので成長していきたいです」

(取材・文 児玉幸洋)
●第95回関東大学L特集

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