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[MOM3435]桐光学園MF小西碧波(1年)_圧倒的な走力。守備楽しむ“ボールハンター”

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桐光学園高の“ボールハンター”MF小西碧波

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.25 関東 Rookie League Aリーグ第2節 流通経済大柏高 1-2 桐光学園高 時之栖うさぎ島1]

 周囲に「アイツは何者!?」と思わせるようなパフォーマンスだった。桐光学園高(神奈川)のMF小西碧波(1年=シュートJrユースFC出身)は、無尽蔵のスタミナを披露。前日、神奈川県2部リーグで上級生相手に90分間存在感ある動きを見せていたというボランチは、この日も圧倒的な運動量で相手に襲いかかっていた。

 かつて桐光学園のボランチ、主将として活躍した久保昌成コーチが「奪取能力が高い」と認めるボールハンター。潰し、味方のサポートへと走り回り、流経大柏の攻撃を封じ続けていた。2-1の試合終盤には敵陣コーナー方向へのボールを全力で追いかけ、タッチラインを割ると、それ以上のスプリントで自分のポジションへ。彼の90分間の運動量と守備力、「周りからも『うるせえ』みたいに言われていますけれども、相乗効果があるかなと思って」という声も大きな勝因になっていた。

「(走るのは)いくらでも大丈夫です」と微笑む小西は、「自分のところでサボれないし、そこの責任感というのは感じていましたし、チームのために走ろうという気持ちはやっぱり強いですね」。攻撃の部分も大事にしているが、自分の特性は守備と理解し、チームのために全力で取り組んでいる。

 小学6年時に守備の大切さを学び、中学で磨いて桐光学園へ。ここで目標とする選手の背中を追っている。それは、U-17日本代表候補のMF山市秀翔主将(3年)だ。「あの選手も走っていて、あの選手みたいにチームのためにハードワークできる選手になりたいなと目指しているので、きょうもハードワークできたので良かったと思います」。山市は技巧派のレフティーから、走れるMFへ変貌して代表候補選出。トレーニングから「一つ一つのところに魂を込めてやっている」と映る先輩の姿を見習い、少しでも近づこうと努力している。

 小西には守備の楽しみ方があるようだ。相手に思い通りのプレーをさせず、イライラさせることが「自分の今の楽しみ」。そして、その役割に責任感を持って臨んでいる小西は、先輩たちからさらに多くを吸収して突き抜ける存在を目指していく。

「自分の良さも出してどんどん自分もメンバーに入って、冬の選手権、今回100回大会なので、そこに食い込んでいけるように。将来の目標はサッカー選手なんですけれども、アメリカの大学とかも考えています」。学業優秀で、英語も問題ないという異才。この日、競り負けたシーンやミスもあっただけに満足することなく、自分を磨き続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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