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[MOM3437]武南DF中村優斗(3年)_際立っていた読みと技巧。攻守でゲーム支配したCB

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武南高CB中村優斗はゲームを支配するような動き

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.27 関東高校大会埼玉県予選準決勝 浦和西高 1-1(PK4-5)武南高]

 攻守に渡ってゲームを支配するような100分間だったが、満足はしていなかった。武南高はPK戦の末に浦和西高を破って関東大会出場権獲得。各選手の奮闘が光る中、特にCB中村優斗主将(3年)のプレーは際立っていた。

 まず守備面では試合を通じてインターセプトを量産。「後ろにいるだけで安心してもらえるような選手になりたい」という中村は味方が崩されたようなシーンでも相手のラストパスを難なく奪い、相手のスピードに乗った仕掛けにも対応してマイボールに変えていた。

 またSBの背後のスペースをケアし、勝負どころでシュートブロック。小学生時代はFWで中学時代はトップ下、昨年は左SBでCBは今年からという中村だが、読みや守備センスの良さ、ボールを奪い取る力を随所で発揮していた。

 加えて攻撃面でも魅せた。ボールを奪い返しに来た相手をいなして何度も前進。自陣PAでも相手の逆を取ってボールを運んでいた。そして、プレースキッカーも務めるCBはビルドアップの中心に。「後方からのビルドアップだったり、ドリブルで相手を剥がして、対人も埼玉県ではやれるかなと自信を持っています」と言い切る。

 内野慎一郎監督も「能力が高いです」と認めるDFはその言葉通りのプレー。だが、攻め上がったところでひっくり返されるようなシーンもあっただけに「(前線へつけるパスなどを)相手に当ててしまったので、そこで触れさせないというか、もっと圧倒してやっていきたいですし、声がけの部分とかちょっと少なかったかなと思っている」と満足感は全く見せなかった。

 朝霞二中(埼玉)時代は10番を背負って全国中学校大会に出場。中学卒業時はほとんど誘いが無かったというが、声を掛けてくれた武南での成長を目指して進学した。そしてDFへ転向し、能力を開花させている。

 この日インパクトを残したCBはよりプレーとコーチングの質を上げ、今後の埼玉の戦いや関東大会でも実力を証明することができるか。SBとしても期待のDFが、チームのために真の力を発揮し、名門を関東や全国の上位へと導く。

(取材・文 吉田太郎)

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