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[MOM3440]水戸ユースFW内田優晟(2年)_ハットトリック達成のストライカー。中山仁斗を目指すユースの星

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水戸ホーリーホックユースのストライカー、FW内田優晟

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.1 Jリーグユース選手権 グループB 第1節 水戸ユース 7-0 湘南U-18 ツインフィールド]

「今日はゴールを獲るしかないという気持ちだったので、やっぱりハットトリックは嬉しいですね」。少しはにかみながら言葉を探す姿は、まだ高校生だということを思い出させてくれる。ただ、ゴール前では獰猛なストライカーとしての振る舞いが頼もしい。水戸ホーリーホックユースの点取り屋。FW内田優晟(2年=TRAUM SV出身)がツインフィールドで躍動した。

 ストライカーは悩んでいた。今シーズンはここまで公式戦ノーゴール。「去年まで凄く能力も高くて、得点も獲れていた子が、全然獲れなくなっちゃって」と樹森大介監督も言及したように、2年生になった内田はなかなか思うような結果を残せない。「この前の試合も全然シュートを打つことができなかったんです」とは本人。何とか不振脱出の糸口を見出すべく、この日のピッチに足を踏み入れる。

 16分までに水戸ユースが早くも2点を先行すると、その時はやってくる。18分。キャプテンの左SB北条真智(3年)が低いクロスを丁寧に送ると、「いつもは入り過ぎちゃったりしていたので、入り方を意識していたら、キャプテンから良いボールが来て、合わせるだけでした」という内田は完璧なインパクトで、ダイレクトボレーをゴールネットへ滑り込ませる。

 次のゴールは26分。「守備の意識も高いですよ」と指揮官も認める献身的なチェイスが奏功。最終ラインでもたついた相手CBから一気にボールをかっさらうと、そのままドリブルからGKとの1対1も冷静に勝利。「相手のディフェンダーが慌てていたので、『行っちゃおう』と思って、そこから球際にしっかり勝って、最後は落ち着いて右下に流すことができました」。この日2点目をゲットする。

 仕上げは後半15分。MF上野山叶夢(3年)のスルーパスに反応し、完全に一人旅に。「得意な形で動き出せて、ちょっと慌ててトーキックにはなってしまったんですけど、しっかり流し込めたので良かったです」。3点目をマークし、堂々のハットトリック達成。自身としても素晴らしい結果を残し、チームを勝利に導いた。

 今年に入ってからはトップチームの練習試合にも呼ばれており、先日のエリートリーグでも試合終盤に10分ほどプレー。「渡邉柊斗選手が凄く声を掛けてくれて、『ここに動いて』みたいに言ってくれたり、良いタイミングでパスをくれました」と先輩のプレーに言及したものの、自分のプレーは短時間で発揮できず。アピールは次回以降へ持ち越しとなった。

 目指すのは同じ青いユニフォームを纏っている9番だという。「中山仁斗選手のキープ力だったり、決定力には凄く憧れます。凄くカッコいいです」。中山仁斗と言えば、得点時に雄叫びを上げることも少なくないが、内田に「アレはやらないの?」と水を向けると、「やりたいですけど、凄く重要な試合とかで獲れたら叫ぶと思います」とニコリ。その瞬間の到来が今から楽しみだ。

「公式戦ではしっかり全試合で点を獲るという気持ちでやって、トップチームに昇格して、そっちでもしっかり点を獲れるような選手になりたいです。まずはホーリーホックのユース出身として、レギュラーに定着できるような選手になりたいと思っていて、最終的にその先はまた成長してから考えたいと思います」。

 スケール感漂う179センチの本格派ストライカー。内田が成長した先で考える“未来”には、無限の希望が広がっている。

(取材・文 土屋雅史)

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