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[プレミアリーグEAST]横浜FCユースは土壇場で山崎太新が同点PK。浦和ユースは今季初勝利をあと一歩で逃す

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浦和レッズユースは1年生MF阿部水帆(31番)のゴールで先制

[5.2 プレミアリーグEAST第5節 横浜FCユース 2-2 浦和ユース 保土ヶ谷]

 ほとんど手に入りかけていた勝ち点3が、スルリと逃げていく。2日、高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグEAST第5節の横浜FCユース(神奈川)と浦和レッズユース(埼玉)の一戦はシーソーゲームの末、後半アディショナルタイムに横浜FCユースが追い付いて2-2に。浦和ユースの今季初勝利は、またもお預けとなった。

 ファーストチャンスを作ったのは横浜FCユース。5分に左SB土屋海人(3年)の左CKに、CBの杉田隼(3年)が完璧なヘディングを枠に収めるも、浦和ユースのGK川崎淳(3年)が驚異的な反応で弾き出すと、先制点は直後の6分。MF萩元雅樹(2年)が高い位置でボールを奪い、スタメン抜擢のMF阿部水帆(1年)は飛び出したGKの頭上を破る完璧なループシュート。ルーキーのゴラッソで浦和ユースが1点をリードする。

 以降も攻勢は浦和ユース。10分にはFW舘樹(3年)の左クロスから、萩元がゴールに迫るも横浜FCユースのGK西方優太郎(1年)が果敢にファインセーブ。18分にもキャプテンの左SB大野海翔(3年)が仕掛け、舘のシュートはDFに当たってクロスバーにヒット。さらに25分にもFW伊澤壮平(3年)がドリブルで持ち込み、最後は阿部のループがまたもクロスバー直撃。「良い形で点が獲れて、その後も良い流れでした」と、今季プレミア初出場となったCB工藤孝太(3年)が話したように、続く好リズム。

 ところが、27分にワンチャンスを生かしたのは、横浜FCユースのナンバー10。「フリーで、あそこのスペースでボールを受けられた」と振り返るMF山崎太新(3年)がギャップで受けて左へ展開。開いたMF前田柊(3年)の丁寧な折り返しを、ダイレクトで合わせた山崎のシュートはゴールネットへ収まる。この前後から頻繁にポジションチェンジを繰り返していた、前田と山崎の連携が結実。1-1でハーフタイムに入る。

 勝利を渇望する浦和ユースは、後半に入って積極的に交代カードを投入。7分にFW高橋悠(3年)を、18分にはFW岡本岳(2年)とMF早川隼平(1年)を2枚替えでピッチに送り込み、攻撃的な手札を切っていくと、勝ち越し弾が生まれたのは22分。プレーメーカーのMF堀内陽太(2年)が右へ展開したボールを、DF岡田翼(3年)は中央へクロス。ニアに岡本が飛び込むと、そのまま抜けたボールは左サイドネットへ転がり込む。素晴らしい流れから、3年生の右サイドバックの積極性が呼び込んだゴール。2-1。浦和ユースが一歩前に出る。

 再び追いかける展開を強いられた横浜FCユースは、こちらも前線に送り込んだフレッシュな選手がチャンスを創出。28分には右サイドを抜け出した途中出場のFW守屋颯人(2年)がシュートを放つも、川崎がファインセーブ。30分にも同じく途中投入のFW宮野勇弥(3年)が、右SB池谷銀姿郎(2年)のロングスローからこぼれを狙うも、ボールは枠の右へ。

 今季初勝利に向けてカウントダウンの始まった浦和ユースは、45+1分にDFアピッチ輝(3年)を投入して逃げ切りを図ったが、交代直後に池谷のロングスローから、守屋がエリア内の競り合いで転倒すると、主審は横浜FCユースのPKを指示する。キッカーは山崎。「自分はPKを外したことがないので、今日も外す気はしなかったですし、自信を持って蹴れました」というキックが左スミに突き刺さり、ホームチームが追い付く。

 ファイナルスコアは2-2。「全体的に見れば勝てた試合だったと思います」と工藤も話した通り、浦和ユースは好ゲームを展開しながら、土壇場での失点で勝ち点3が、悔しい勝ち点1に変わってしまう結果となった。

「あまり自分たちのやりたいサッカーができない90分間だったなと思います」と山崎も口にした横浜FCユースは、それでも執念を見せて勝ち点1を獲得。指揮官交代を経験しながら、5試合を終えて3位という好位置をキープしている。去年はスーパープレミア関東で優勝したものの、「自分たちは強くない代という認識があるので、チャレンジャー精神でぶつかっていく気持ちが強いです」とは杉田。この日のドローを価値のあるモノにすべく、次節は横浜ダービーに挑む。

 5試合を終えて勝利の遠い浦和ユースだが、「今までの4戦の中で自分たちが必要とされること、直していかなくてはいけないことにしっかり目を向けて、ゲームでトライしてくれたと思います。よく選手はやってくれました」と池田伸康監督はポジティブな手応えを掴んだ様子。勝ち点3まではあと一歩。悔しい結果となった試合後、選手たち同士で積極的に話し合う姿も見えた彼らの今後にも、大いに期待したい。

(取材・文 土屋雅史)
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