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[MOM3442]横浜FCユースMF山崎太新(3年)_自信と謙虚が同居する10番が、2ゴールで苦しむチームを救う

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横浜FCユースのMF山崎太新は綺麗な形から同点ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.2 プレミアリーグEAST第5節 横浜FCユース 2-2 浦和ユース 保土ヶ谷]

 このプレミアリーグという最高峰の舞台を経験するにつれ、エースナンバーが似合う男へ、着々と進化しつつあることに疑いの余地はない。「10番は注目もされますし、注目される中で結果も出し続けていかないといけないと思うので、結果を求めてやっていければと考えています」。横浜FCユースのナンバー10。MF山崎太新(3年)はこれからも結果を出し続ける。

「あまり自分たちのやりたいサッカーができない90分間だったなと思います」と山崎が話した通り、この日の横浜FCユースがいつものようなスタイルを打ち出せたかと言えば、確かに疑問符は付く。その中でも少ない好機を生かすのが、エースの仕事。その自覚が結果を引き寄せる。

 1点ビハインドの前半27分。左中央のギャップに潜ってボールを受けると、すぐさまサイドを走るMF前田柊(3年)へ展開。そのまま中央へ走り込みながら、前田の折り返しをダイレクトで叩いたシュートは、クロスバーに当たりつつもゴールネットへ到達する。「あれは合わせるだけだったので、前田に感謝ですね」と殊勝なコメントも、決して簡単ではない一撃をきっちり沈め、チームに勇気をもたらす。

 またも1点ビハインドの後半45+4分。土壇場でPKのチャンスが訪れる。「自分はPKを外したことがないので、今日も外す気はしなかったですし、自信を持って蹴れました」というキックは左スミをきっちり突き刺し、大きな大きな同点弾に。苦しんだ試合で、勝ち点1を引き寄せる2ゴール。まさにエースの役割を果たす活躍を披露した。

 早生まれということもあり、1つ下の学年が中心となる年代別代表には呼ばれていたが、今回は自分たちの学年の代に当たるU-18日本代表に選出された。「ようやくという感じですね。自分だったら全然できると思うので、しっかり自分のプレーをアピールできればと思います」と力強い言葉も。時折覗かせる確固たる自信が頼もしい。

 招集メンバーの中には、意識している選手もいるという。「山崎倫(大宮アルディージャU18)はポジションもかぶっていて、ドリブルの質とかは全然違うんですけど、プレーも似ている部分はあるかなと。彼のドリブルは凄いものがありますし、負けたくないなと思います。名字もちょっと意識しますね(笑)」“山崎”同士の競演も、個人的には楽しみにしているようだ。

同学年でトップの公式戦に出場する選手も増えてきている中で、自身ももちろんそこを目指さないという選択肢はない。「毎試合チームを救うようなゴールを獲りたいと思いますし、やっぱり自分がこのチームを勝たせるという部分を常に求めて、プレミアで結果を出していけば、必然的にトップにも呼ばれると思いますし、やっぱりトップで活躍したいという想いは常に持っているので、そこを目指してここで活躍していきたいです」。

自信と謙虚が同居する17歳。自らが見据える結果を出し続けた時、それはさらなる先のステージへと自分を連れていってくれるに違いない。

(取材・文 土屋雅史)
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