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横浜FCユースを支える守備の人。DF杉田隼はもう1つ上のステージを虎視眈々と狙う

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高い打点のヘディングでゴールを狙う横浜FCユースのDF杉田隼

[5.2 プレミアリーグEAST第5節 横浜FCユース 2-2 浦和ユース 保土ヶ谷]

 今回招集されたU-18日本代表に選出されなかった事実は、さらなるステップアップを自分に課すための格好の機会になりそうだ。「(山崎)太新や自分と一緒にやっていたU-17の代表メンバーも今回入っていて、正直自分の中で悔しい想いがありますし、プレミアリーグにも代表のスタッフの方が見に来てくれているので、自分の自信のあるプレーをもっと発揮していきたいなと思います」。横浜FCユースのセンターバックを任されたDF杉田隼(3年=横浜FCジュニアユース出身)は、ここから這い上がる覚悟を決めている。

 浦和レッズユースとの一戦。立ち上がりから自身のパフォーマンスに、やや納得の行かない部分を抱えていたという。「自分のファーストタッチで1枚剥がしていくことだったり、フォワードへのロングボールや、フォワードの前に落とすボールを出すことがあまりできなかったので、1つ1つの質を高めていけばもう少しチームが楽になったかなと思いました」。

 昨年からセンターバックのコンビを組むDF増田健昇(3年)との息はぴったり。「健昇とコミュニケーションを取って、ラインの上げ下げはこまめにやっていたので、それはチームとして良かったんですけど」と話しながら、続けて「クロス対応の所で失点してしまったので、もう少し声掛けできればなと思いました」と反省も口に。結果として2失点を喫したことも、次節以降の改善点として自分の中に携えた。

 年代別代表での活動を経て、気付かされたことがあった。「ずっと代表に呼んでもらっていて、短いパスや剥がしていくファーストタッチはできるんですけど、ハマった時に前へと引っ繰り返すロングボールが、あまり自分の中で意識を持っていない感じなので、そこは代表で結構痛感していますし、クロス対応も自分だけじゃなくて、もう少し自分の前後の味方にも声掛けできればいいかなと」。フォワードへのロングボールとクロス対応。今回の試合でも課題として同じ部分を挙げたあたりに、その改善点への意識の強さが滲む。

 同年代で気になる選手も少なくない。「利き足は違うんですけど、今日試合した工藤(孝太)と田中隼人(柏レイソルU-18)はルヴァンカップに出ていて、この2人は頭1つ抜けているかなと思いますし、諏訪間(幸成=横浜F・マリノスユース)も小学生ぐらいから知っていて、自分の中では諏訪間より下という意識があるので、ここから努力してU-18の代表にいるセンターバックを食っていければいいと思います」。

 チームメイトのMF山崎太新(3年)も選出されている今回のU-18日本代表合宿には、招集を見送られた。より高みを目指す上で、仲間やライバルの存在に刺激を受けつつ、負けたくないという想いも同時に湧き上がっている。

 今年の目標を語り出すと、少しだけ口調が熱を帯びる。「個人としてはトップチームの試合に1試合でも多く関わっていって、代表でも1個下の代表から自分の代の代表に入っていって定着することと、プレミアリーグでも優勝を狙っていきたいです」。

 物静かな風貌に、秘めたる闘志を抱える守備の人。杉田の逆襲が始まりつつある。

(取材・文 土屋雅史)
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