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[関東大会予選]ボール動かし続け、198cmFW森重が決勝ヘッド!CBアッパも好守の日大藤沢が関東進出!

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後半18分、日大藤沢高FW森重陽介が決勝点となるヘディングシュート

[5.4 関東高校大会神奈川県予選準決勝 桐蔭学園高 0-1 日大藤沢高]

 日大藤沢が関東大会進出! 2021年度関東高校サッカー大会神奈川県予選準決勝が4日に行われ、昨冬の選手権出場校・桐蔭学園高と19年度の関東大会予選優勝校・日大藤沢高が激突。日大藤沢が交代出場の198cmFW森重陽介(2年)の決勝点によって1-0で勝ち、関東大会進出を決めた。

 関東切符の懸かった大一番は相手の良さを消し合うような戦いに。その中でも「止める・蹴るを大事にしてきた。(同じ神奈川県のフロンターレの)受け直すところも参考にさせてもらっています」(佐藤輝勝監督)という日大藤沢がボールを動かし、ショートカウンター狙いの桐蔭学園を押し込むような形で試合を進めた。

 指揮官が「欠かせない。(リーダーとして)率先してプレーで見せてくれる」と信頼を置くMF植木颯主将(3年)がDFラインにまで落ちてビルドアップに参加。高い位置からダイレクトの縦パスを通したほか、守備面でも奪い返しを連発するなど一際目立つ動きを見せる。

 また最終ラインでは、4月にU-17日本代表候補合宿を経験してきたCBアッパ勇貴(2年)が、鉄壁の守り。相手のクロスを確実に跳ね返していたほか、1対1の強さやシュートブロックを披露する。

 その日大藤沢は15分過ぎ頃から攻勢を強め、植木のパスからMF荒井涼(3年)が前を向き、左SB森優輝(3年)の攻め上がりを活用したほか、FW大貫裕斗(3年)の推進力ある動きなどを加えてゴール前のシーンを作り出した。

 一方の桐蔭学園は期待のCB飯島大地(2年)やCB青木祐人(3年)、MF中村勇貴(3年)がボールを奪い返し、サイドチェンジを交えた攻撃。そして右SB伊規須恵祐(3年)やFW山形貴之(2年)の力強い突破や、個々の技術の高さ・アイディアを活かして先制点を狙う。

 だが、八城修監督が「大分良くなってきています。でも、判断とか技術が相手を圧倒するまで至っていない。まだまだどっちが勝つか分からないようなゲームになってしまっている」と首を振るように、桐蔭学園は相手との差を生み出すまでには至らない。後半立ち上がりはボールを動かして押し込んだが、決定打を放つことができず、逆に日大藤沢FW大貫のパワフルなドリブルで押し下げられてしまっていた。

 そして18分、日大藤沢が均衡を破る。植木の右CKのこぼれ球を3分前に投入されていた森重が198cmの高さを活かしたヘッドでゴールへ押し込んだ。桐蔭学園は終盤にセットプレーの数を増やしたものの、日大藤沢GK三田晴貴(3年)や荒井の好守に阻まれて試合終了。日大藤沢が関東切符を獲得した。

 日大藤沢の佐藤監督は「もうちょっと顔が上がれば良かった」。慣れない天然芝のグラウンドによって判断が遅れ、最後の局面のバリエーションある攻撃が十分にできなかったことを指摘。それでも「植木、荒井中心に臆せずに動かして行ったのが最後ああいうチャンスに繋がったと思います」とゴールを目指してボールを動かし続けた姿勢を評価していた。

 2年生DFアッパの代表候補入りによって森重ら2年生だけでなく、3年生にも「良い刺激になっている」(佐藤監督)。意識変化も力に神奈川突破。佐藤監督は「(今年は)チャンスがあるチームだと思っている。もうちょっと自分たちらしく(攻守を)作っていきたい」。まずは5日の決勝。そして、より成長して関東大会に臨み、勝ちながら経験を積み重ねる。

(取材・文 吉田太郎)

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