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[関東大会予選]関東決定戦で欠けていた「覚悟」「準備」。三浦学苑は3人の主将中心に見直して夏秋の戦いへ

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三浦学苑高はゲーム主将を務めたCB鈴木海夏人中心に踏ん張っていたが……

[5.4 関東高校大会神奈川県予選準決勝 三浦学苑高 0-2 桐光学園高]

 18年度以来となる関東大会進出を狙った三浦学苑高は、準決勝で敗れた。風下の前半は無失点で凌いだが、後半立ち上がりにミスも絡んでの連続失点。試合終盤はボールを動かし、相手DFラインの背後を取ったり、素早いパスワークからシュートへ持ち込むなどチャンスも作ったが、自分たちの通用する部分を出し始めたところで試合終了となってしまった。

 力を出し切れなかったような印象。枝村隼人監督も同様の感覚を持ったようだ。関東大会出場権を懸けた一戦での悔しい敗戦。「覚悟の部分であったり、そういうものは足りていなかったのかなと。(この試合で勝つために)逆算して日々を送ったりできていたか。なあなあな部分が出てしまったのか」と残念がっていた。

 チームリーダーの一人で、1年時から場数を踏んでいるMF明石梓希(3年)が怪我のために不在。他にも怪我人がいた中で準決勝まで勝ち上がった。その点に関しては、指揮官も「メンバーが代わりながらも、勝ち上がって来れたことはプラス材料」と認める。

 それでも、「大事なのはここから」という準決勝で、勝ち切る、出し切ることができなかった80分間。神奈川の準決勝、決勝で戦う相手はどこも強力なだけに、まずは自分たちの力を出し切らなければならない。そのために、準備からこだわらなければならないことを学んだ一戦。枝村監督は日々の準備について、「そこはもっともっと厳しさが必要かな」と語っていた。

 今年、三浦学苑は主将3人制を採用している。この日ゲーム主将を務めたCB鈴木海夏人(3年)とDF佐藤匠真(3年)、明石の3人が主将に。特別な存在がいない今年、一人に負担が掛からないように役割分担しながら、助け合いながら、他の選手たちもサポートする形でチームを構築して行こうとしている。

 昨年のようにサイズの大きな選手がいる訳ではないが、粘り強さやボールを動かすことで勝負できる世代はこの敗戦を糧に。3人の主将を中心に全員で戦う三浦学苑は日々の準備を見直し、どの試合でも力を出し切り、夏秋の全国予選で勝ち上がる。

(取材・文 吉田太郎)

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